福寿草の花言葉(世界各地のネーミング)

福寿草の花言葉について
福寿草の花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」などの他に「悲しき思い出」というものも。

今回は、福寿草(フクジュソウ)の花言葉やネーミングについて、韓国ドラマや小林一茶の俳句も紹介しながら、書いてみたいと思います。

福寿草の花言葉とネーミング

信州の木祖村・吉田地区(福寿草の群生地)
撮影地は信州の木祖村・吉田地区です。

福寿草の花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」の他に「悲しき思い出」(英語でsorrowful remembrance)というものもあります。春を告げるめでたい花であったり、毒に気をつけないといけない植物であったり、その印象は地域や環境、状況によって変わるんですよね。

韓国ドラマの『福寿草』(スプリング・エフェメラルのイメージ)

フクジュソウの花
まだ雪が残るような季節に咲く、福寿草の花。

韓国ドラマに『福寿草』という作品があります。見出しを少し引用します。

寒さに耐え氷を突き破り咲く福寿草のようなヒロインの、愛憎に満ちた復しゅう劇!
※BS朝日の紹介ページより

確かに、まだ寒い時期から咲く福寿草には、そんな力強さみたいなイメージもあります。フクジュソウに続いて、カタクリなどが咲いていきますが、それらは「スプリング・エフェメラル」と呼ばれる、寒い時期から咲く花たちです。

スプリング・エフェメラルの代表格、カタクリ

スプリング・エフェメラル(六甲高山植物園で観察)

英語ではアムール川のアドニス

フクジュソウの葉
フクジュソウの葉。切れ込みが多く、ニンジンやシダの葉に少し似ています。

英語ではAmur adonis=アムール川のアドニス。シベリア東部に分布するアドニス、という名付けです。元々、アドニスはギリシャ神話の美少年の名前だそうです。猪に付き殺され、流れた血からアドニスの花が生えた、との事。その後、アドニスはアネモネの花を指すように変わっていったそうですが(ややこしいので詳細は省きます)、いずれにしても、前述の花言葉「悲しき思い出」もそうですが、西洋の福寿草のイメージは、めでたいものではなさそうです。そして、西洋では福寿草は黄色ではなく、赤色のイメージなんですね。

小林一茶が貧乏草と呼んだ白い花

フクジュソウの実
こちらはフクジュソウの実。

西洋の「赤色」の他にも、園芸種がいろいろあって、白色の福寿草もあります。小林一茶のエピソードを『ひねくれ一茶』から引用しつつ、紹介します。

客人に、狭くて汚い部屋(貧乏暮らし)を指摘され、小林一茶は言います。

「おれのうちで福の名のつくなあ、あの福寿草だけだ。この頃、江戸にはやってるんでおれも欲しくなってな、一本買ってきて植えたんだが、一向、山吹色に咲かねえのよ。貧乏ったらしい、灯芯みたいな白い花になりやがって、けったくそ悪いから貧乏草と名を替えてやった。

薮並や貧乏草も花の春

ってところだ」
『ひねくれ一茶』田辺聖子

ひねくれ一茶 [ 田辺聖子 ]
created by Rinker
講談社
ついでに、貧乏だった一茶ならではの句をもう二つ。

袖口は去年のぼろなり梅の花

福寿草の花期は、ウメの花とも重なりますね。

欠け鍋も旭(あさひ)さすなりこれも春

「欠け鍋」は、春の到来と合わせる事によって、貧乏という悲壮感がありません。

話しが逸れましたが、一茶にとって福寿草は、江戸の流行への抵抗のようなものもあったのかな?とも思います。俳人の植物や季節に対する視点に感心させられる、田辺聖子さんの『ひねくれ一茶』、オススメです。

花の名前と花言葉、ヒト

フクジュソウの花
フクジュソウの花は太陽の方向に向き、熱を集めます。

花の名前や花言葉というのは、ヒトが付けたものであって、福寿草であれアムール・アドニスであれ、ヒトの捉え方が表れていますね。

雪解けした時の嬉しさとか安堵感みたいなものは(シベリアも信州も)、寒冷地に住むヒトには共通だろうと思います。同様に、違う地域の季節や別の時代を想うのもまた、ヒトの捉え方だと思います。信州の山奥で福寿草が咲いている頃、麓はサクラの季節です。最後にもう一つ、一茶の句を。

大名を馬からおろす桜かな

植物には、いろんな力がありますね。

自転車を降りてフクジュソウを観賞
自転車を降りてフクジュソウを観賞。

※今年(2020年)は、四賀地区の福寿草まつりのイベントが中止される等、信州でも新型コロナウイルスの影響があります。不安な花見の季節になってしまいましたが、来年の平和な春を願って、今を乗り切りたいですね。

植物名 フクジュソウ
漢字名 福寿草
別名 元日草(ガンジツソウ)
学名 Adonis amurensis
英名 Amur adonis
科名・属名 キンポウゲ科フクジュソウ属
原産地 東アジア
花期 2~4月
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ABOUT US

神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。