六甲高山植物園のスプリング・エフェメラル

スプリング・エフェメラルの代表格、カタクリ

神戸に帰省した時、時々立ち寄る六甲高山植物園。「高山」なので、信州の植生も思い起こさせるような展示もあって、お気に入りです。

今の時期だと、スプリング・エフェメラル、春の妖精。「エフェメラル」は、「はかない」とか「つかの間の」という意味なので「春植物」とも呼ばれますが、「春の妖精」という言葉がピッタリのように思います。そんな早春の花々について、六甲高山植物園を歩きながら紹介しようと思います。

六甲ケーブルに乗って山上へ

六甲ケーブルに乗って山上へ

バスと六甲ケーブルを乗り継いで、山上へ向かいます。

六甲高山植物園へのアクセス
六甲高山植物園へは、公共交通機関を利用する場合、阪神御影駅、JR六甲道駅もしくは阪急六甲駅から神戸市バス16系統で「六甲ケーブル下駅バス停」で下車、六甲ケーブルと六甲山上バスを乗り継いで行けます。
六甲高山植物園の入口

六甲高山植物園に到着です。麓は晴れていたのに、山上では雪がちらちらと。バスで来た場合、反対側の「東入口」から入園します。

欧米から入ってきた「高山植物」という呼び名

そもそも「高山植物」というのは、高山帯で見られる植物の事を言い、英語のalpine plantsの訳語です。つまり欧米から入ってきた言葉ですが、ヨーロッパ・アルプスでの高山帯の特徴として「高木限界以上で、植物の生長期間は100日以下」、とされます。氷河があったり、過酷な環境を想像しますが、日本で言うところの高山植物もまた、登山でしか出会えないような高地の植物の事を言います。

信州のような雰囲気を神戸で

六甲高山植物園では、そんな日本アルプスで見られるような植物と、それよりは標高の低い、(僕が暮らすような)信州の標高1500m前後の植生も含めた展示になっていて、神戸にいながら、信州のような植生を観察できます。

花が終わると地中でジッとしている春の妖精

スプリング・エフェメラルの代表格、カタクリ

スプリング・エフェメラルの代表格、カタクリ。

冬の厳しさは、春の優しさを際立てるもので、それは気温だけでなく、視覚的にもそうです。真っ白な風景から雪解けし、緑色がない中、咲き始める花の色は、厳しい冬を越したからこそ、より鮮やかに見えます。

花を閉じたカタクリ

こちらもカタクリ。この日は天気が悪かったので、花を閉じています。

カタクリの群落

六甲高山植物園にはカタクリの群落もあります。こちらも、花が閉じている風景。

スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物は一年の内、多くの時間を地下で過ごします。早春の短い期間に花を咲かせ、夏になると地上部は枯れ、地下茎や球根の姿になります。

ユキワリイチゲ

ユキワリイチゲ。雪を割って花を咲かせる、という名前です。

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ。猩々(ショウジョウ)という中国の空想上の動物と、ロゼット状の葉を袴に見立てた名前です。猩々は「もののけ姫」に出てきました。

敢えて寒い時期に花を咲かせる戦略

これには戦略的な理由があります。まだ寒さが残る季節、木々が落葉していて周りの草も茂っていない中、光合成をして花を咲かせて実を結ばせるという、寒さに耐えて競争を避けるという戦略です。

他にも、フクジュソウのように花に光を集めて温度を高めて虫に来てもらう、という虫の少ない季節ならではの戦略もあります。

フクジュソウに雪がパラパラと

フクジュソウ。光を集めて花を暖かくして、虫を引き寄せます。この日は寒そうですが(笑)。

様々な競争の上で現在の形態があるわけですが、スプリング・エフェメラルの花たちは背が低くて、周りの植物を押しのけるような競争はしていないように見えます。競争を避けて地中で長く過ごす、控えめのようにも見える、そんな姿はまさに春の妖精です。

キクザキイチゲ

キクザキイチゲ。キンポウゲ科ですが、花弁が菊のようで、1本の茎に1輪つける、という事で菊咲一華と書きます。

閉じてしまったキクザキイチゲ

天気が悪くなって、花を閉じてしまったキクザキイチゲ。

ムラサキケマン

ムラサキケマン。こちらは信州で撮影したものです。

もう少ししたら、本当に賑やかな草花の季節がやってくる事を僕たちは知っています。そして、高さを競い合う(夏の植物のように)、そういう方法とは別の生き残り戦略もあるのだと関心するのもまた、僕たちの能力であり、そうさせる植物の力なのでしょう。

「山小屋カフェ エーデルワイス」でランチ

六甲高山植物園の「山小屋カフェ エーデルワイス」

雪が激しくなってきて、「山小屋カフェ エーデルワイス」へ逃げ込みます(笑)。

「山小屋カフェ エーデルワイス」のチキン南蛮のっけごはん

チキン南蛮のっけごはん(1100円)。春野菜の南蛮漬けがトッピングされた、春の限定メニュー。

同じ時期、六甲山ハイキングで見頃の植物

最後に、六甲高山植物園周辺をハイキングした場合に見られる植物を少し。スプリング・エフェメラルの時期だと、六甲山のハイキングコースでは、アセビの花や、アジサイの芽吹きが楽しめます。写真を載せておきます。

アセビ

アセビ。春の六甲山では、いたるところで見られます。

アジサイの芽吹き

アジサイの芽吹き。こちらも春を感じさせる風景ですよね。

ヤブツバキ

ヤブツバキは12~5月頃が花期ですが、この時期の六甲山でも目立ちます。

六甲高山植物園
〒657-0101
神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150
https://www.rokkosan.com/hana/

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ABOUTこの記事をかいた人

神戸出身、2016年から信州在住。植物のある生活、自然の中での生活について、このサイト(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。