アキノキリンソウは、信州の山間部の秋を代表する花の一つです。
個人的には、現代の秋の七草だとも思っていて、例年アキノキリンソウが咲くと秋を実感します。
先日、このアキノキリンソウの花(&葉)をお茶にして飲んでみたので、ついでに(?)アキノキリンソウ属という植物について、記事にしておきます。
アキノキリンソウのお茶の淹れ方
作り方(淹れ方)、という程ではないですが、収穫して洗ってティーポットに入れ、お湯を注いだら完成です。
花を摘む(葉も一緒に)
アキノキリンソウは日当たりのよい山地に多い植物です。
我が家はカラマツ林の中にあるのですが、林縁や道路脇にアキノキリンソウがたくさん咲いています。
花と葉を一緒に摘みます。
サッと洗う
収穫したアキノキリンソウを水に浸けて洗います。
ティーポットに入れてお湯を注ぐ
ティーポットは、できればガラス製の中身が見えるものが良いですね。
こうして花を入れると、ガラス製だと待っている時間も楽しいです(写真映えもします)。
完成
5分くらい待ったら完成です。
味は?(とてもあっさり)
アキノキリンソウのハーブティー、飲んでみると、とてもあっさりした味で美味しいです。
ちょっとヨモギのようでもあり、キク科っぽいと言うのか「これがアキノキリンソウ!」というような強い主張はないですが、ゆっくり味わいたくなる、そんな味です。
ちなみに、我が家のマグカップはbodum(ボダム)のダブルウォールグラス、こちらもハーブティーやコーヒーにオススメです。
アキノキリンソウという植物
お茶を飲みながら、アキノキリンソウという植物についても少し。
『日本の野草(山渓カラー名鑑)』にはこんな説明がされています。
日本のほか朝鮮の日当たりのよい山地にもっとも普通に見られる20~80センチの多年草。秋に咲く黄金色の花の代表のひとつである。(中略)頭花は茎の先に散房状または総状に多数つき、花冠は黄金色。舌状花と筒状花があり、内側の筒状花が結実する。
『日本の野草(山渓カラー名鑑)』
北半球に広く分布するキク科アキノキリンソウ属
『日本の野草(山渓カラー名鑑)』には、アキノキリンソウの仲間として下記の植物が紹介されています。
・セイタカアワダチソウ
・オオアワダチソウ
・コガネギク
・アオヤギバナ
このアキノキリンソウ属の仲間、英語ではGoldenrod(ゴールデンロッド:黄金の鞭)と総称されます。
北米でも飲まれてきた「Goldenrod Tea」は“自由”の味?
アキノキリンソウの仲間は、北米では古くから薬草として知られ、お茶もよく飲まれていたそうです。
英語で「Goldenrod Tea」とGoogle検索すると、レシピや商品をたくさん見つけられます。
そして、このお茶のネーミングですが、1773年の「ボストン・ティーパーティー事件」の後、「Liberty tea:自由のお茶」と呼ばれていた時代があったようです。
※そんなLiberty teaのついては、こちらのバーモント大学の記事が詳しいです(英語です)。
黄金色の花の旅
実際の「Liberty tea」には、北米の様々な花(ハーブ)が使われていたようですが、日本のアキノキリンソウのお茶と似た味だったのでしょうか。
こうしてアキノキリンソウのお茶を飲みながら、かつての歴史(お茶を巡る世界史)に思いをはせます。
北米から海を渡ってきたセイタカアワダチソウや、信州の山間部のアキノキリンソウ。
黄金色の花の旅と共に、秋は深まります。
植物名 | アキノキリンソウ |
漢字名 | 秋の麒麟草 |
別名 | アワダチソウ(泡立草) |
学名 | Solidago virgaurea var. asiatica |
英名 | Goldenrod ※ アキノキリンソウ属の総称 |
科名・属名 | キク科アキノキリンソウ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
花期 | 8~11月 |
吉本しょうじ様
初コメントさせて頂きます。
このアキノキリンソウと同属のセイタカアワダチソウは良くにていますね、これもティーにすればよく似た味がするのですかね。それとブタクサも似た花が咲きますがこれは同属にはならないのですね。
一つ質問です:同属とそうでないのはどの部分を持って分けているのですか?例えば葉状で分けるのか花弁の形状で分けているのかご教授願います。
今後ともよろしくお願いします。
三平様
コメントありがとうございます!
おっしゃる通り、セイタカアワダチソウも同属なので、ハーブティーにすれば、おそらく似た味がすると思います(^。^)
アキノキリンソウと同様、薬効もあるようなので、興味深いですね。僕もいつか試してみたいです。
そして、同属かどうかの分類についてですが、現在はAPG分類という分類方法が主流でして、
APGは遺伝子情報であるゲノムの解析に基づいた分類体系なのです。
かつての分類とは違って、目に見える形態に基づいたものではないので、
どの属なのか見た目ではなかなか判断が難しいケースも多いです。
しかしながら、300種類くらいの植物を一旦覚えると、
花や葉の形などの特徴によって、おおよその目星をつけて、
図鑑などで調べられるようになるので、
植物の同定というのは、なかなか面白い趣味になります(^。^)