2月になると、信州の山間部も寒さが少し緩みます。
森に降る雪は水分を含むようになって、重たくなります。
そんな季節、雪かきは大変になりますが、時々幻想的な雪景色が見られます。
今回はそんな様子を、写真と動画で紹介します。
森の中にいるからこそ出会える、雪景色
カラマツ林は、春の芽吹きや秋の黄葉、冬の星空など、それぞれの季節で楽しみがあります。
そんな事を以前の記事『カラマツ林の四季』でも書いたのですが、森の中の雪景色というのも、シャッターチャンスが多いです。
乾いた雪、湿った雪、風が強い日など、いろんな種類の雪景色があって、それは森に住んでいるからこそ、実感できます。
2月頃(冬の終わり)に見られる、大雪の後の幻想的な森の雪景色
そして、一年に数回しかないような、珍しい雪景色というのもあります。
例えば、大雪の日の次の日が快晴になると見られる、雪景色。
森の樹々が湿った雪に覆われて真っ白になった次の日、晴れると気温が上がり、枝に積もった雪がどんどん解けて、落ちていきます。
動画を撮影して、Instagramのリールにアップしたので、埋め込んでみます(下記)。
撮影チャンスは数時間
上のような動画や写真を撮ろうとすると「大雪の後の快晴」という条件が必要です。
樹々の枝に積もった雪が半日くらいで落ちてしまう場合もあるので、撮影できる時間も数時間、と限られます。
カラマツ林に住んでいなければ、なかなか出会う事がない風景だと思います。
近づく春、明るい森
そして、この季節の雪景色が嬉しいのは、春が近づいているからでもあります。
陽の光が雪に反射して、森の中は一年で最も明るくなります。
撮影する時も、少し前は手がかじかんでいたのが、この季節は大丈夫という嬉しさもあります。
森の中の雪の不思議
それにしても、森の中の雪というは不思議なもので、気温ほどには寒く感じなかったり、写真や映像で見ると暖かそうに見えたり、あるいは美味しそうに見えたりもします。
平原の雪景色、街中の雪景色だったら、こういう風には感じないんじゃないかな?と思います。
ちなみに、雪の不思議については以前の記事『雪の本【中谷宇吉郎博士とベントレー】』で紹介しています。
2月の森の植物の風景
最後に、2月のカラマツ林、信州の山間部の森の中の植物の写真をいくつか。
樹木には、陰性の木と陽性の木があり、モミの木は陰性の木です(特に若い木)。
陰性の木は日陰でも育つので、森の中でもいたるところにモミの木が生えています。
陰性のモミの木に対して、シラカバは陽性の木(陽樹)です。
陽性の木は、親木の下や、暗い森の中では生える事ができないので、タネを遠くに飛ばして、明るい場所で育ちます。
シラカバや、同じカバノキ科の仲間のハンノキには、ヤドリギが宿っているのをよく見かけます。
ヤドリギにも種類がありますが、最も一般的なヤドリギ(Viscum album var. coloratum)は、落葉広葉樹に宿ります。
つまり、シラカバやハンノキがなければ、この辺りにはヤドリギもいない事になります。
変化していく森の中で
森の中で季節の変化を感じていると、植物の種類の変化についても、理解が進むような気もします。
今現在、歩いている(暮らしている)森はどんな変化(遷移)の段階にあるのか、将来的にはどんな森になっていくのか。
森の中での生活というのは贅沢な庭仕事のようでもある、と改めて感じる2月のカラマツ林です。
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