モミの木の葉と香り【信州のウラジロモミと針葉樹】

モミの木の新芽
モミの木の新芽。

クリスマスツリーでお馴染み、モミの木。

雪を被った冬の姿は確かに魅力的なのですが、初夏の新芽や、一年を通して嗅ぐ事ができる香りもまた、この植物の魅力です。

この記事では、そんなモミの木の葉や香り、特徴について、そしてモミの木に似た針葉樹についても少し紹介します。

モミの木の葉

ウラジロモミの葉
ウラジロモミの葉。

モミの木の葉は、扁平な線形で表面は濃い緑色です。

裏は、モミとウラジロモミ(モミの木の種類については後述します)で少し違うのですが、信州に多いウラジロモミの場合、白い線(木孔線)が目立ちます。

葉の基部は、枝につくところが吸盤状に盛り上がるのがモミの木の特徴です。

モミの木の新芽

モミの木の新芽
モミの木の新芽。

モミの木は常緑樹なので、一年を通して緑色をしていますが、5~6月にかけて、新芽が出る頃は枝先が明るい緑色になります

ウラジロモミの新芽
こちらは葉が開く前の状態。

芽吹く前は丸くて、実が付いているようにも見えます。

モミの木の新芽を食べてみました

モミの木の香り

モミの木の新緑
モミの木には多くの油分が含まれ、香ります。

モミの木の枝や葉を切ると、針葉樹らしい良い香りがします。

成分としてはテルペン類(多くの植物の精油の主成分)、特にα-ピネンという物質が多く含まれ、香料の原料にもなります。

どんな香りかというと、スッキリとした清涼感があって、落ち着く香りです。

檜風呂のヒノキにも似ていますが(ヒノキチオールもテルペン類です)、種類としては違う香りだし、木と葉(材油と葉油)の香り方の違いもあります。

言葉で表すのは難しいですが、ヒノキとも柑橘系ともまた違う爽やかさがあります。

ジントニックのような香り、という人も多いです。

アンデルセンの『もみの木』ではコウノトリが香りを知っている

雪の中のモミの木
雪の中のモミの木。

アンデルセンの童話『もみの木』でも、モミの木の香りについての記述があります。

主人公の若いモミの木は、周りの樹々が切られて、どこかへ運ばれて行くの見て、コウノトリに聞きます。

あのモミの木たちはどこへ運ばれていくのか?と。

「エジプトからとんでくるとちゅう、あたらしい船にたくさん、わたしは出あったのだが、どの船にもみんな、りっぱなほばしら(帆柱)が立っていた。わたしはきっと、このほばしらが、おまえさんのいうもみの木だとおもうのだよ。だって、それにはもみの木のにおいがしていたもの」

『もみの木』ハンス・クリスティアン・アンデルセン

アンデルセンの『もみの木』kindle(キンドル)だと無料で読めます。

モミの木の種類と分布

ウラジロモミの葉と雪
ウラジロモミの葉と雪。

単に「モミの木」という場合、マツ科モミ属に含まれる樹木全体を指す場合が多いと思いますが、世界には約50種があるとされ、日本ではモミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、トドマツの5種類が自生します。

モミは低地に多く、標高が高くなるとウラジロモミ、さらに寒冷地になるとシラビソ、というように、環境に合わせて分布が変わっていきます。

モミの木に似た針葉樹

イチイの葉と実
イチイの葉と実。

上高地など、信州の山間部で見られるモミの木は、ウラジロモミが多いです。

他の針葉樹としては、前述のシラビソの他、コメツガ(マツ科ツガ属)、イチイ(イチイ科イチイ属)などがあります。

モミやシラビソ、ツガの実は松ぼっくりですが、イチイは科も違い、赤い実をつけます。

モミの木とドイツトウヒ

ドイツトウヒの葉
ドイツトウヒの葉。

クリスマスツリーとして使われる木は、モミの木の他に、ドイツトウヒ(マツ科トウヒ属)があります。

日本には明治時代に移入された樹種ですが、各地に植えられていて普通に見られます。

特徴としては、枝が垂れ下がっているように見える事でしょうか。

絵本などでも描かれている、ヨーロッパの森の、お化けのようなシルエットの木ですね。

暮らしの中のモミの木

クリスマス・スワッグ
ウラジロモミのクリスマス・スワッグ。

我が家ではウラジロモミをスワッグにしたり、花瓶に活けたりもしますが、枝や葉を切ると、香りが家の中に広がります。

アンデルセンのモミの木は、いつもどこか別の場所へ憧れ、今現在に満足できずに生きていました。

この葉を愛で、香りを嗅ぐ時間を大切に。

そんな風に思わせてくれる、信州のモミの木です。

【追記】クリスマスにおけるモミの木の記事『クリスマスのヤドリギやモミの木、6つの聖なる植物の旅』も作りました。

クリスマスにはヤドリギを吊るす風習があります
植物名ウラジロモミ
漢字名裏白樅
別名ニッコウモミ(日光樅)、ダケモミ(岳樅)
学名Abies homolepis
英名Nikko fir
科名・属名マツ科モミ属
原産地日本
花期5~6月
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12件のコメント

しょうじ君こんにちは!
お母様には常日頃大変お世話になっております。
前回のヤドリギも応募しようかと迷っているうちに終わってしまったので今回は遅れないように応募します!
当たればお店に飾ってお客様にも長野のいい香りをお届けしたいです☺︎

川崎様
こんにちは!ご無沙汰しております!
いつも母がお世話になっております!
ご応募、ありがとうございます(^。^)
朴葉とか、いくつか他の植物も加えて送ろうと思います。
しばしお待ちくださいね(^。^)

こんばんは。

しょうじさんのインスタのご投稿をいつも楽しみにしています。

「もみの香り」とはどんな香りなのか・・・興味深々で応募させて頂きました。

植物から精油を抽出してみたいと常々考えておりまして、今回当選しましたら「もみの精油」抽出に挑戦します!

当たりますように。

ハトサブレ様
こんにちは!ありがとうございます(^。^)
モミの木は、仰るようにエッセンシャルオイルが販売されていたりしますね。
我が家もいつか、精油作りにチャレンジしてみたいです!
ひとまず、現物の到着をしばしお待ちください(^。^)

こんにちは。しょうじさんのインスタとブログのファンのモノです。

インスタで今回の応募の企画を知りブログに慌てて移動して参りました。

信州の山が好きなのですが、まだ公共交通機関を利用するには抵抗があり旅を断念しておりました。
ですので、信州の香りが我が家に届く企画に感動しております。

モミの香りを胸いっぱいに吸い込んで、旅をしたつもりを楽しみたいです!!!

ノバナ様
嬉しいお言葉ありがとうございます!
おっしゃる通り、バスなどを利用するのはちょっと、という場合もありますね。
ウラジロモミは信州の山らしい木ですので、
楽しみにお待ちください(^。^)

しょうじさん、こんにちは✨❗

いつも送ってくださって、ありがとうございます。
もみの木の香りがとても気になって、また応募いたします。

暑かったり、やけに涼しかったりする首都圏ですが、毎日水替えと切り戻しをして、長持ちさせたいです。
部屋にもみの木の香りをいっぱいにしたいなぁ。

しょうじさん、お元気でね✨

玉恵さん、こんにちは!
こちらこそ、いつもありがとうございます!
首都圏は、そうですか。信州は時々寒い日もあるくらいですからね(^。^)
ぜひぜひ、モミの木の香りを体験していただきたいです!
おそらく、朴葉とかオオバギボウシの蕾とかいくつか他のものも一緒に送る事にすると思います。
しばしお待ちください(^。^)

しょうじさん こんばんは(^_^)
インスタとブログの投稿いつも楽しみにしています。

もみの木の緑が鮮やかで綺麗ですね☆*。

信州の山の香りを味わいたくて応募させて頂きます。
もみの木の香りってどんな香りだろう(*´ω`*)
楽しみです•*¨*•.¸¸♬︎

ユーミン様
ありがとうございます(^。^)
今の時期のモミの木は緑色のグラデーションが美しくてオススメです!
モミの木に追加して、他の植物もいくつか一緒に送る予定ですので
しばしお待ちください(^。^)

いつも大自然の小さな植物たちの、インスタ楽しませて頂いてます^^
もみの木の香り、大好きです。
深い緑の森の香り
我が家に来てくれたら 嬉しいなぁ

flagrancia del jazmín様
ありがとうございます(^。^)
モミの木の香り、良いですよね!
モミの木に追加して、他の植物もいくつか一緒に送る予定です!
しばしお待ちください(^。^)

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ABOUT US
しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。