アサギマダラの好きな花と植物【ヒヨドリバナ属と蝶の旅】

アサギマダラとヒヨドリバナ
アサギマダラとヒヨドリバナ。

夏の間、信州の山間部では、アサギマダラが飛んでいるのをよく見かけます。

「渡りをする蝶」として有名ですよね。

先日、花に止まっているところを撮影できたので、アサギマダラが好きな花と植物について、記事にしようと思います。

アサギマダラの好きな花はヨツバヒヨドリやヒヨドリバナ

信州の山間部のアサギマダラ
我が家のすぐ近く(信州の山間部)に立ち寄ってくれたアサギマダラ。

今回撮影したアサギマダラが止まっていたのはヒヨドリバナでした。

ヒヨドリバナはキク科ヒヨドリバナ属の植物です(図鑑によってはフジバカマ属とされる事もあります)。

『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』から少し引用します。

アサギマダラはグルメです。
好きな花が決まっており、好みのランキングもほぼ決まっています。
(中略)
ランキングのトップに来るのは、ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナ、ヤマヒヨドリバナ、フジバカマなどのキク科ヒヨドリバナ属の植物です。

『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』栗田昌裕
created by Rinker
¥1,400 (2024/04/24 13:49:18時点 Amazon調べ-詳細)

他に、シロノセンダングサ、セイタカアワダチソウ、アザミなどのキク科の植物にも吸蜜する事が紹介されています。

好きな理由はピロリジジンアルカロイド(PA物質)

では、なぜアサギマダラはヒヨドリバナ属の植物を特に好むのか。

ピロリジジンアルカロイドという物質(PA物質と略されます)がヒヨドリバナ属には多く含まれ、アサギマダラ(特に雄)にとって必要な物質だからだそうです。

モンパノキの葉も好き

モンパノキ(紋羽の木)
モンパノキ(紋羽の木)。

そして、このPA物質は他に、モンパノキの葉にも含まれています(花だけではない)。

モンパノキは漢字では紋羽の木、奄美以南に自生するムラサキ科の常緑低木で、沖縄の海岸にもよく見られる植物です。

アサギマダラは、このモンパノキの枯れかけた葉を舐めて、PA物質を取り込むのだそうです。

PA物質を追いかける旅

アサギマダラとヒヨドリバナ
ヒヨドリバナの仲間には、PA物質が多く含まれます。

つまり、アサギマダラはPA物質を追いかけながら、日本列島を旅しているんですね。

春には北上し、秋には南下しながら、ヒヨドリバナやモンパノキを探す旅。

信州の高原に多いのはヨツバヒヨドリですが、もう少し標高が下がるとヒヨドリバナ、というように花期のズレや種類を上手に使い分けながら、旅をしています。

ちなみに、アサギマダラの幼虫が食べるのはキジョラン等のガガイモ科の植物だそうです。

※アサギマダラがPA物質を追いかける理由について『何故アサギマダラは毒を蓄えるのか』という記事を作成しました。

アサギマダラとヒヨドリバナ

数千㎞もの距離を移動する蝶

旅を数千㎞もの距離を移動する蝶・アサギマダラする蝶・アサギマダラ
2000kmを移動する事もある、アサギマダラ。

それにしても、蝶のような小さな生物が1000kmや2000kmの渡りをする、というのは驚きです。

日本(福島県)から小笠原諸島や台湾まで渡った例がある他、オオカバマダラという北米の蝶はカナダからメキシコまで、4000kmを移動した例があるそうです。

出会えない植物を想像して

フジバカマ
こちらはフジバカマ。

信州の山間部に暮らしていると、モンパノキに出会う事はありません。

また、フジバカマは秋の七草の一つですが、今や準絶滅危惧種なので、自生はほとんど見かけません。

アサギマダラの行き先

ヒヨドリバナ
こちらはヨツバヒヨドリ。

今、信州で見ているアサギマダラが、神戸や鹿児島や、台湾にまで行くかもしれないと思うと、応援したくなるような、自分も飛んで行きたいような、そんな気持ちにもなります。

彼らは、フジバカマの香りや南国のモンパノキを知っているんですよね。

信州のヒヨドリバナを見ながら、はるか遠くを想像させられる、アサギマダラの旅です。

フジバカマは乾燥させると良い香りがします
植物名ヒヨドリバナ
漢字名鵯花
別名ヒヨドリソウ
学名Eupatorium chinense
英名なし
科名・属名キク科 ヒヨドリバナ属※フジバカマ属とする場合もあり
原産地日本、朝鮮半島、中国など
花期8~10月
広告
広告

23件のコメント

 初めまして、66歳の山で遊んでいる者です。
私の住んでいいるところでは、9月上旬にヒヨドリバナが終わりその後「こしあぶら」の木の花に集まって来ます。
 又8月は蝶が全体的に小さく若いように感じられます、9月になると大きくなってきているように感じます。

中 林 様
コメントありがとうございます!
コシアブラの花にアサギマダラが集まっていますか!
我が家の敷地内にもコシアブラの木が何本もあり、
このブログでもコシアブラの記事を作っているのですが、
花にアサギマダラが集まるとは、初めて知りました!
我が家は標高1300mくらいなので、アサギマダラの飛来時期とコシアブラの花期が合わないのかもしれません。
いずれにせよ、貴重な情報をいただいて嬉しいです(^。^)
本当にありがとうございます!

こんにちは。はじめまして。

長野県大町の奥のブナ立て尾根を登山していて、アサギマダラを見ました。

シソ科のテンニンソウ?と思われる花についていましたが、シソ科の花にもつくのでしょうか?
登山の行きも帰りも熱心に花についているところを見ました。

はまの様
はじめまして!
コメントありがとうございます!
テンニンソウ、栗田昌裕さんの本では言及されていないのですが、
赤城自然園の記事で「フジバカマの他アザミやテンニンソウに、たくさんのアサギマダラが訪れています」と書かれているので、
おっしゃる通り、アサギマダラはテンニンソウにも吸蜜するようですね(^。^)
僕も勉強になりました!ありがとうございます!

 アサギマダラを庭に呼びたくて、昨日熊本市内のホームセンターにフジバカマの苗がないか行ってみました。苗は見つかりませんでしたが、コスモスが10本程置いてある所で、なんとアサギマダラを発見しました。他の花には見向きもせず、コスモスの花の蜜を吸っていました。わずか一羽でしたが、衝撃的な「初対面」でした。

佐々木一郎様
熊本からの情報、ありがとうございます!
アサギマダラ、コスモスに吸蜜していましたか(^。^)
Google検索してみると、確かにアサギマダラとコスモスの写真もいくつか見つかりますね!
好みはあるとはいえ、かなりいろんな植物に吸蜜するのでしょうね!
勉強になりました!コメントありがとうございました(^。^)

昨年2022年友人にもらったフジバカマの苗を植えたその秋、2頭のアサギマダラが吸蜜に来てくれたのには超ラッキーでした。今年2023年は自生するヒヨドリバナも植え付けた豪華な花畑にして彼氏たちを待っています。蝶の羽に書き込みがあるか見たのですが無かったです。蜜源は、今8月8日まだ1cmほどの蕾です。ついでながらヒヨドリバナは、広い葉と極端に細い葉の2種類を植えています。

竹内幸生様
コメント、ありがとうございます!
フジバカマやヒヨドリバナを植えられているのですね(^。^)
実際にアサギマダラが吸蜜に来たところを想像すると、
僕も嬉しくなってしまいます!
今年も出会えると良いですね!
ありがとうございます(^。^)

昨年のフジバカマは株元から分けつして、沢山の茎が密生。ヒヨドリバナは太い主茎に沢山の分枝が出た姿。いずれも背丈ほどです。ただ、後者はひと月前の強風でバキバキに折れたのに対し前者は無傷だったのに驚きです。昨年は10月22日にアサギマダラが吸蜜に飛来しています。今年(9月20日)のフジバカマは、蕾の5%が咲き出した状態で、ヒヨドリバナは、少し早く20%が咲き出しています。いずれの花も、蝶のツマグロヒョウモンが吸蜜に飛来しています。感じとしてオミナエシが似てるので、来年用に定植を予定しています。
 蛇足ながら、すぐ隣に三尺バーベナが開花していますが、この花には多様な蝶やスズメガが吸蜜に来ます。
この花にアサギマダラが興味を示してくれるかが楽しみです。

竹内幸生様
再びのコメント、ありがとうございます(^。^)
フジバカマとヒヨドリバナの比較も興味深いですし、
他の花についても、アサギマダラ(他の蝶も)が
興味を示すかどうか、とても楽しみですね!
僕も想像したらワクワクします(^。^)

私は73歳、稲作をやっています。同じなら蝶が飛来する花を植えることに。バタフライガーデンの本に、ヤブガラシも蝶が来る・・これが大変!藪を枯らす勢いで大抵の植物を被覆、光を遮断して枯らしてしまいます。更に、この花は蜜が多いのか蝶は勿論ですが、あらゆる蜂を引き寄せます。オマケに越年性で毎年ツルが太くなります。悔しいことに、口吻の関係か大柄のクロアゲハが吸蜜するのに、百日草の花々は素通りでした。
*ヤブガラシは、以前から知っていました。老婆心ながらご忠告

稲作をされているのですか(^。^)なるほど、田んぼの周りに植えるのでしたら、
蝶の観察も楽しそうですね!
そしてヤブガラシ!「藪さえも枯らすほど旺盛に茂る」と言いますね!
百日草は素通り、とは蜜源植物もいろんな要素がありそうですね(^。^)

#2 吸蜜といえば、スズメガも可愛いですよ。2cmほどの蛾ですが、雀の様な体型でホバリングしながら吸蜜します。これがまた、ハチドリの超小型版で見とれてしまいますよ。夜蛾の種類なんで、夕方から咲き始めるオシロイバナや、マツヨイグサ、それに里山の妖精ササユリに大型の夜蛾が吸蜜飛来したのにはビックリ❣
*確かアメリカでは、蝶と蛾を分類しない?そうです?私も差別しない方に賛成☻

スズメガ、見たことはありましたが、名前を今まで知りませんでした(^。^)
勉強になります!
蝶や蛾と植物との関係は本当に面白いですね(^。^)

 アゲハの食草がミカン科の葉、蜜源もミカンの花を好むので、キンカン(2年生)を花畑に植えました。 いつの間にかアゲハ幼虫が7匹も・・・アッと言う間に葉を食べ尽くされ丸裸に! しばらくして幼虫たち、1匹も居なくなりました。1週間ほどすると、木は新芽を吹き始めました。2度目の葉だけは幼虫たちから死守しなければ木が枯れてしまうと思いました。よほど大きな木でなければ食草と蜜源の二刀流は、ムシのいい話だと気付きました。
 アゲハの幼虫はミカンの葉からエキスを濃縮して、触ると角を出して嫌な匂い(山椒の実を濃くした様な匂い)撒き散らします。これってアサギマダラに限らず、成虫になれば同様の効果を果しているのでは??

竹内幸生様
アゲハチョウとミカン科の関係、面白いですね!
おっしゃる通り、アサギマダラに限らず、
いろんな蝶にあてはある能力があるのかもしれませんね!
今回も興味深いコメント、ありがとうございます(^。^)

 教えて下さい。①彼岸花の白花は「赤花と黃花を交配して作る」とありますが、不稔実なのにどうして、
その種子を得るのでしょうか?
 ②彼岸花は球根のみで増えるとありますが、それが分球だけでしょうか?先日、彼岸花を掘り起こすと、
親球と子球の尻部同士がバルブでつながっていました。タケノコやコゴミのように地下茎が伸びてその先端や途中から新芽が発生するというようなことはないのでしょうか?

前回は貴重な情報ありがとうございました。白花を理解するのが難しい(私の頭では)ことを理解しました。

 さて、10月7日アサギマダラのヒヨドリバナは100%満開に比べ、フジバカマはまだ20~30%の開花です。彼女の飛来は昨年10月22日でしたが、満開の時期に合わせているようです。
 このところ急に寒くなったのか飛来する蝶は、ツマグロヒョウモンとスズメガくらいくらいです。それも同じ花ならと三尺バーベナだけを吸蜜をしています。
 いつか折れて枯れたフジバカマがいい香りをしていたのを思い出しました。今回、あえて3、4本を折ったのを乾燥してドライフラワー(ドライドリーブズ?)にしています。上手くできるかな?

10月12日の朝、アサギマダラが2頭やって来ました。三尺バーベナや、ヒヨドリバナには全く止まらずにフジバカマの周囲を飛び回ったり、吸蜜を繰り返していました。
 昨年と比べ、今年は10日ほど早い飛来でしたが、30分ほど滞留しただけで、どこかへ飛び去って行きました。ただフジバカマの開花は20%余りと満開にはほど遠い状態が原因だったのかもしれません。

竹内幸生様
そうですか!アサギマダラ、やって来ましたか(^。^)
嬉しいですね!
また次の出会いも楽しみですね!
ご報告、ありがとうございます(^。^)

私は、フジバカマの葉を乾燥したのを匂うと、微かにいい匂いがしました。私の家内にもいい匂いがするからと勧めたのですが、これが大変なことに・・・顔が痒くなり、目は充血するわの大騒ぎでした。
多分、アレルギー反応を起こしたのでしょう。顔を洗って20分もすると治ったようです。因みに家内は、キンモクセイの香りにもアレルギー反応を起こす体質です。
アサギマダラがフジバカマの蜜から毒を濃縮するだけあって、それは危ない体験でした。

竹内様
フジバカマでアレルギー反応ですか!それは大変でしたね!
なるほど、アレルギー反応もいろいろあるのですね!
勉強になりました!コメントありがとうございます(^。^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。