何故アサギマダラは毒を蓄えるのか(『鬼滅の刃』を思い出す?)

アサギマダラとヒヨドリバナ
アサギマダラとヒヨドリバナ。

今回は、以前に書いた『アサギマダラの好きな花と植物』の補足記事です。

渡りをする蝶・アサギマダラが好む花は「ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナ、ヤマヒヨドリバナ、フジバカマなどのキク科ヒヨドリバナ属の植物」という事を前回の記事で書きました。

「好きな理由」は、ピロリジジンアルカロイド(PA物質)がキク科ヒヨドリバナ属の植物に多く含まれる為、とも書きました。

では、何故アサギマダラはPA物質を体内に取り入れるのか?

その理由を聞くと『鬼滅の刃』を思い出します。

今回はそんな事を書きます。

何故、アサギマダラは毒(PA物質)を体内に取り入れるのか?

フジバカマとアサギマダラ
フジバカマとアサギマダラ。

アサギマダラがPA物質(ピロリジジンアルカロイド)を体内に取り入れる理由は、主に2つあります。

(理由1)鳥などに食べられないように毒を体内に取り入れ、蓄える

PAは、鳥などの捕食者にとっては毒になる物質です。

アサギマダラは、PA物質を体内に取り入れることによって、捕食者から身を守っています。

(理由2)PA物質から性フェロモンを作る

アサギマダラの雄は、PA物質から性フェロモンを作ります。

この2つの理由から、アサギマダラは、PA物質を多く含む植物を選んで(好んで)、旅をしているんですね。

毒で身を守るのは仲間の為?

アサギマダラとアザミの花
アサギマダラとアザミの花。

今回、記事にするにあたり、書いておきたいと思った事がもう一つ。

アサギマダラが毒を蓄える事によって(捕食者から)守る事ができるのは、自分自身ではなく仲間である、という事です。

というのも、アサギマダラが鳥(捕食者)に襲われたとしても、その攻撃を防ぐことはできません。

その毒性を捕食者に学習させて、仲間が襲われにくくするという戦略なんですね。

『鬼滅の刃』にも登場するアサギマダラ

『鬼滅の刃』胡蝶しのぶ(6巻の表紙)
『鬼滅の刃』の「胡蝶しのぶ」※6巻の表紙です。

こうした、仲間(種)の為に犠牲になるというような特徴は、アニメ『鬼滅の刃』でも再現されています(我が家は妻が『鬼滅の刃』ファンです)。

藤の花の毒を摂取して身体を毒化させた、胡蝶しのぶ

藤(フジ)の花
藤(フジ)の花にも毒性があります(こちらはマメ科)。

『鬼滅の刃』の登場人物「胡蝶しのぶ」は、鬼の「童磨」との戦いに備えて、藤の花の毒を摂取し続け、自らの身体を毒化させます。

普通に戦っても童磨を倒せない為、自分自身が犠牲になったのです。

必ず私が鬼を弱らせるから
カナヲが頚(くび)を斬ってとどめを刺してね

『鬼滅の刃』第162話(19巻)※胡蝶しのぶのセリフより
※『鬼滅の刃』はイーブックイニシアティブジャパン eBookJapan で(スマホで)読めます。

eBookJapan『鬼滅の刃』(19巻)のページへ

服や髪飾りもアサギマダラがモチーフ?

胡蝶しのぶは蝶屋敷に住んでいて、アサギマダラらしき蝶が描かれている他、服や髪飾りもアサギマダラがモチーフのようです。

『鬼滅の刃』は描写が少し怖かったりするんですが、こうした設定など、よく練られた作品なんだなと思います。

春、アサギマダラはどこで会える?

アサギマダラとヒヨドリバナ
アサギマダラとヒヨドリバナ。

信州では、アサギマダラを見られる季節は夏、ヒヨドリバナやフジバカマの花が咲く頃です。

そして秋になるとアサギマダラは南下し、沖縄や小笠原諸島、台湾などを目指します。

春には、逆のルートで北上します。

『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』から少し引用します。

春に北上の旅の途中で会える場所は限られています。
それはその時期にアサギマダラが好んで吸蜜する花が身近には見られないからです。
奄美大島や喜界島では3月から6月にかけてアサギマダラを見ることができます。
奄美大島ではツバキ科のイジュの花に集まるのが特徴です。

『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』栗田昌裕
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アサギマダラが好きな春の花、イジュ

イジュの花
イジュの花。ツバキ科の常緑高木で、白い花が咲きます。

今頃、アサギマダラはイジュの花に吸蜜しながら、北上の旅をしているでしょうか。

PA物質を蓄えながら。

ヒヨドリバナやフジバカマの花にやってくる日を楽しみに。

アサギマダラの旅の安全を祈る、信州の春です。

アサギマダラとヒヨドリバナ
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しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。