田舎暮らしをしている人こそ、kindle(キンドル)の良さを実感できると思います。
インターネットさえあれば、膨大な量の本にアクセスできて、実際の本屋さんにはないような、面白い体験もできます。
この記事では、本屋さんで働いていた事もある僕の個人的な振り返りと共に、kindleでの読書体験について紹介します。
kindleと青空文庫、田舎暮らしでの価値
そもそも、僕のような山暮らし(田舎暮らし)をしていると、本屋さんが近所にありません。
昔であれば不便を感じていたと思うのですが、amazonとkindleがある今、不便を感じない上に、別の楽しさと便利さを得ています。
書店業界の再編、amazonの登場
20年くらい前、僕は京都の本屋さんで働いていました。
好きな本が棚に並んでいるのをウットリと眺めて、売れてしまうと残念に感じたり、今思えば商売に向いていない店員でした。
休みの日も他の書店に行って、棚のチェック(?)をしたり、立ち読みするのが習慣になっていて、本棚の本を触りながら「いらっしゃいませ」と声を出してしまった事もありました。。。
丸善や駸々堂、他にも小さな書店が今よりもたくさんあって、書店巡りもアリな時代でした。
あれから時代は変わり、本を買うのはamazon(通販)が普通になり、レコメンド機能「この商品を買った人はこんな商品も買っています」、カスタマーレビュー(一般の人の書評)によって、本の選び方が変わりました。
レビュアーの中には、とんでもなく参考になる書評を書く人もいて、書店巡りにはなかった体験が生まれました。
kindleの実用的なメリット3つ
その後、kindleの誕生によって田舎暮らしに足りないものを補う環境が更に整います。
kindleの実用的なメリットとして、
- ほぼ無制限の本を小さな端末の中に所有できる(かさばらない)
- 無料で読める本が多い
- 夜でも読みやすい
という、大きくは3つあります。
「夜でも読みやすい」というのは山暮らしでは案外嬉しい事で、読書灯を点ける必要がなく、「夏場の虫」に対して有効なのです。
都会に住んでいる人には想像できないくらい、山での暮らしには虫が身近にいます。
夜、読書灯で読書をしようものなら、蛾や小さな虫が(大きな虫も)、本と顔の周りを飛び回ります。
それが、kindleの優しい灯りだと大丈夫です(全くいないわけではありませんが)。
kindleが生み出す新しい体験
amazonとkindleの実用性は、田舎暮らしであれば尚更、活きてきます。
虫問題に関しては特殊すぎる環境かも知れませんが、街の大きな書店に行かなくとも膨大な量の本にアクセスできるというのは、相対的には都市部よりも田舎暮らしの方が価値があります。
夏目漱石や梶井基次郎、牧野富太郎博士の作品が無料で読めるという利点は、近くに書店があれば読む(もしくは読み返す)事はなかったかも知れないわけで、新たな読書ニーズを生み出しているとも言えます。
辞書機能を使って洋書を読むと効率的な語学学習にもなります。
田舎暮らしこそkindleやSpotifyを
インターネットがなかったら、僕にとって山暮らしの価値は半減します。
本や音楽(Spotifyを愛用しています)、益々盛り上がるインターネット上のコンテンツは、自然の中での暮らしの価値を高めてくれます。
新刊はほぼ全てkindleで読めるし、iPadがあれば最新の雑誌もカラーで閲覧できます。
ほんの数年前まで考えられなかったような体験が、山奥でも可能になってきています。
インターネットの中で、僕は昔の書店巡りとは別の楽しみを見つけています。
今でも変わらない、本屋さんの価値
とは言え、今でも街に出て、本屋さんに行くのは楽しみです。
古い専門書や、ズラリと並んだ本棚から偶然見つける本。
平積みコーナーから視覚的に入ってくる情報や、画集のような大きなサイズの本や独特な装丁、感触。
それらはamazonやkindleにはありません。
丸善に行って、本を積み上げてレモン爆弾を仕掛ける。
『檸檬』の世界観をなぞるのは、現代において、更に楽しさが増しているようにも思えます。
変わる社会と変わらないもの
活版印刷、写植、DTPと革新されてきた出版界は、媒体と共に変わっていくのでしょう。
文庫や新書など、kindleに適している内容や表現方法や、スマートフォンでスクロールしながら読んでこそ活きてくる表現。
この先には、全く想像もできないような体験があるのかも知れません。
レモンのつるりとした感触や香り。
そんな形質は不変であり、変わっていくのは僕たちの目の前に広がる時間と、それらの共有が創る未来なのでしょう。
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