先日、神戸に帰省して、今年オープンしたばかりの「ブルーボトルコーヒー神戸カフェ」に行ってきました。
この記事では、コーヒーの「アラビカ100%」についての解説を、ブルーボトルコーヒーの香りと共に(!?)お伝えしたいと思います。
ブルーボトルコーヒーから思いを馳せる「アラビカ100%」
東京に行くときは必ずどこかの店に立ち寄るし、信州の自宅でもコーヒー豆を通販で買っていたり、今ではお馴染みの存在になっているブルーボトルですが、考えてみれば、日本国内1号店が清澄白河にオープンしたのが2015年。
僕が初めて行ったのは中目黒のお店で、その時の正直な感想としては「変わった味。。。」
普段のコーヒーに比べると極端に浅煎りで酸味が強く、何か別の飲み物のように感じたものです。
あれから2年くらいしか経っていないのだから、自分自身も含めて、コーヒーの消費嗜好はどんどん変わっていると感じます。
変わる「好みのタイプ」
例えばコーヒー豆を買う時の基準。
「カルディ コーヒーファーム」のウェブサイトを見てみると「好みのタイプで選ぶ」というページがあって、
「甘い香り」
「華やかな香り」
「ビターな味わい」
「爽やかな酸味」
という味の特徴の他に、
「カフェオレにおすすめ」
「環境や人を考える」
「クセになる個性派」
「人気」
といった“好みのタイプ”が並びます。
これらの言葉も時代と共に変わっていくのでしょう。
イタリアでの「アラビカ100%」
海外ではどうでしょうか。
イタリアだと「アラビカ100%」と表示された製品が多くあります。
エスプレッソの国、イタリアでは、クレマ(泡)を作る為にはロブスタ種とのブレンドが良いとされ、かつて「アラビカ100%」は珍しい存在でした(illyなどのメーカーは例外的です)。
「アラビカ100%」は、コーヒー豆がアラビカ種とロブスタ種に大別される事をイタリア人が広く認知している証しとも言えるだろうし、イタリアのコーヒー事情も変わっていくのかなとも思います。
LAVAZZAも「シングルオリジン」の豆を販売
大手メーカーのLAVAZZA(ラヴァッツァ)がシングルオリジンを販売していたり、今年はとうとうスターバックスがミラノにイタリア1号店をオープンしました。
イタリアの場合、少し前まで法律でエスプレッソの値段が決められていたので、それに対応した味、技術が追求されてきましたが、規制がなくなった今、徐々にコーヒーの選択肢も増えていくのでしょう。
南インドのミルクコーヒー
インドに旅した時は、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒーを、ステンレス製のカップと受け皿で入れたり戻したりして、冷ましながら飲むというスタイルを体験しました(南インド式コーヒー)。
あの飲み方には深煎りのコーヒー豆が合っているのでしょう。
日本での「アラビカ100%」
日本では、お店に並ぶコーヒー豆(ドリップコーヒー用)は基本的にアラビカ種です。
その中でどの品種を選ぶかという事になります。
お米に例えると、ジャポニカ米の中からコシヒカリやヒノヒカリなどを選ぶ、というような。
「アラビカ種は知らないけど、ブルーマウンテン(ブルマン)は聞いた事がある」という人がいたとしたら「ジャポニカ米は知らないけどコシヒカリは知っている」と同義で、何も問題はないのですが。
日本では、ロブスタ種はインスタントコーヒーや缶コーヒーに
ちなみに日本でロブスタ種と言えばインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われています。
つまり、日本で「アラビカ100%」が”好みのタイプ”になるとは思えません。
過去にはブルーマウンテンの大流行もあったり、日本もまた独特なコーヒー文化を持っています。
ブルマンはジャマイカで生産され、9割近くが日本に輸出されるという特殊なコーヒー豆ですが、その味の特徴を一言で説明するなら「バランス」でしょう。
甘味や苦味、酸味がバランス良く調和しています。
猛スピードで変化していく日本のコーヒー事情
喫茶店の珈琲ブームの後、スターバックスの進出はもちろん、セブン-イレブン(セブンカフェ)に代表されるコンビニコーヒーによって、挽きたてのドリップコーヒーが当たり前の存在になり、今はスペシャリティコーヒーの個人店舗をあちこちで見かけるような状況です。
日本のコーヒー事情の変化のスピードは加速しています。
そうそう、ミラノにオープンしたスタバの新形態と同じ店(スターバックス リザーブ ロースタリー)が2019年2月に中目黒にオープンするようです。
この形態としては世界で5番目だそうです。
ミルクと混ざっても主張するコーヒー
ブルーボトルコーヒーでは、カプチーノでも、シングルオリジンを選べます。
ミルクを加える飲み物でも繊細なコーヒー豆の味にこだわる事は、普通に考えれば贅沢な話しではあります。
しかし、勉強すると、カプチーノのような飲み方であっても、コーヒー豆そのものの味を活かすという考え方に共感するようになってきます。
ドリップコーヒーは、ブルマンのような優等生的なものよりも、特徴が際立っているような、変わった味(?)を求めるようにもなりました。
より深く味わうコーヒーの時間へ
いずれにせよ、喫茶店に入って「とりあえずホット」というような消費から、より複雑なコーヒーの時間が拡がっているのは、なかなか良いものです。
信州や神戸、イタリア、インド。
世界中の朝が繋がる、ヒトとコーヒーの木の旅。
そんな風に想像する、コーヒーの時間です。
コメントを残す