FSC認証マークを選ぶという事

FSCマークがついた木材サンプル(マルホンのショールームにて)

以前の記事(『日本林業を立て直す』、速水林業の400年の森)で、速水林業が日本で初めてFSCの森林認証を取得したのを紹介しました。

『日本林業を立て直す』を持って、速水林業の森へ

『日本林業を立て直す』、速水林業の400年の森

2019年4月30日
その後、FSCに関してもう少し掘り下げた記事を作りたいと思っていたら、「FSCフォレストウィーク」という、FSC認証普及啓発キャンペーンが開催されていました(2019年7月20日~9月30日)。

マルホンのショールームの「FSCフォレストウィーク2019」コーナー

こちらは(株)マルホンのショールーム、「FSCフォレストウィーク2019」コーナー。

キャンペーンに参加している企業の会場に出かけてきたので、その時の写真と合わせて、FSCについての記事にしてみようと思います。

普段の生活で見つけるFSCマーク

ネピアのティッシュペーパー(ネピネピメイト)

ネピアのティッシュペーパー(こちらはネピネピメイト)にもFSCのマークが。

まず、FSCとは何なのか。普段の生活でもFSCマークを時々見かけます。ネピア(王子製紙グループ)のティッシュペーパーやトイレットペーパーは分かりやすい例です。
製品の紙パッケージだと、例えば明治(meiji)の「きのこの山」(&「たけのこの里」)。

明治の「きのこの山」

明治の「きのこの山」。信州はちょうど今、キノコのシーズンです。右手に持っているのは本物のキノコで、名前はハナイグチ(ピントを合わせた写真は下の写真をご覧ください)。

「きのこの山」の箱の裏にはFSCマークが

「きのこの山」の箱の裏にはFSCマークがあります。

紙パッケージでFSCマークを見かける事はまだ少ないですが、こうして徐々に広まってきているのがFSCです。

ハナイグチ

ハナイグチを収穫するところ。カラマツ林に多くみられるキノコです。

世界的に広がるFSC

FSCとはForest Stewardship Council(森林管理協議会)の略。1992年に暫定的な理事会が組織され、ワシントンD.Cで設立に向けての会議が行われました。法人として正式に発足したのは1994年、事務局はメキシコのオアハカに置かれ、その後2003年にドイツのボンに移動しました。

速水林業の森

こちらは三重県、尾鷲の速水林業の森。日本で最初のFSC認証林です。

日本では、速水林業が森林認証を取得した2000年当時、英語で書類を作らなければいけなかったそうですが、その後FSCジャパンもできて申請も受験も日本語でできるようになっているようです。王子製紙のような企業がFSCを取得したり、FSC認証紙が広まってきています。前述の「ネピア」や「きのこの山」の他、企業の報告書やパンフレットなどでも見かけるようになっています。

nepiaのやわらかハートポイント

ちなみに「やわらかハートポイント」の応募も我が家の楽しみの一つです。

FSCが広まってきている背景

こうしてFSCマークが広まってきている背景としては、1980年代の熱帯雨林の森林破壊が発端です。政府間パネルが開かれたりしましたが、先進国と発展途上国との対立関係(よくあるケースですね)によってあまり進展せず、民間のNGOが関与して第三者的な機関としてFSCが設立されたという経緯があります。

nepia(ネピア)のネピネピメイト

FSC認証の製品を選ぶ事は、合法的に管理されている森を支持する事にも繋がります。

熱帯雨林の木が違法に伐採される事によって問題になるのは環境破壊だけではありません。違法伐採では、伐採後の森の再生コストが含まれないので、木材が安く市場に出回ります。そうすると、合法的にきちんと管理された木材が不利になります。
政府レベルでも、各国でFSCのような森林認証制度が広まっているのは、自国の林業(産業)を守りたいという思惑もあります。

スターバックスの紙カップ(王子ペーパーライブラリーにて)

銀座の「王子ペーパーライブラリー」に展示してある、スターバックスの紙カップや紙ナプキン。スタバもFSC認証紙を使用しています。

アメリカでは、「改正レイシー法」(2008年)によって違法伐採による木材の輸入・輸出はもちろん、販売・購入も禁じられています(違法伐採だと知らずに購入しても罰せられます)。ヨーロッパでも同様に「EU木材法」(2010年)によってEU市場から違法木材を排除しようとしています。

日本でも、2017年から「クリーンウッド法」が施行されています。自助努力を促すような内容で特に罰則もない、おだやかな法律ではありますが、政府規制へと動き出しています。
ここからさらに進める為に、やるべき事はいろいろあると思います。僕にとっては、こうしてブログ記事を作るのも一つ。

今回訪問したのは王子ペーパーライブラリーとマルホン東京ショールーム

FSCマークが広まってきているとは言え、一般的には認知度は高くないし、まずは知ってもらえるような記事を作れたらと思いました。会社で使っているコピー用紙が、実は違法伐採による木材が原料になっていて、知らず知らずのうちに森林破壊に加担している場合だってあり得るのです。

王子ペーパーライブラリー

王子ペーパーライブラリー。いろんな種類の紙が展示してあります。

王子ペーパーライブラリーに展示してある紙

マットなタイプとか、光沢のあるもの、薄い紙、分厚い紙など、紙の手触りとか微妙な違いというのは、やはり良いですよね。

今回、信州の山奥から東京に出かけて、2つの参加企業の会場を訪問しました。一つは銀座、王子製紙(株)本社ビルの1階にある、王子ペーパーライブラリー。もう一つは新宿パークタワーにある、(株)マルホンの東京ショールーム。

王子ペーパーライブラリーは名前の通り、いろんな種類の紙が展示してあります。紙のサンプルをいろいろ手に取って確認する事ができて、持って帰る事もできます。デザイナーとか、出版・印刷関連の仕事をしている人は特に楽しめるんじゃないでしょうか。

マルホン東京ショールーム

こちらはマルホン東京ショールーム。新宿パークタワーリビングデザインセンターOZONE6Fにあります。

マルホンの東京ショールームは新宿パークタワーにあり、THE CONRAN SHOP (ザ・コンランショップ)とか、いろんなお店が入っていてインテリア関連は一通り揃うというような場所です。マルホンでは、ズラリと並んだ木材は圧巻でした。

マルホン東京ショールームの木材サンプル展示

マルホン東京ショールームでは、木材サンプルの展示風景がアートギャラリーのようでした。

木材の色味、堅さ、柄など、それぞれの個性を見せられると、樹木の見方の幅の広さを感じました。大切に管理されてきた木材を見ていると、かつて森に立ち、花を咲かせ、タネを飛ばしていたであろう姿を想像させられます。

マルホン東京ショールームの木材サンプル

一つひとつ、色や堅さ、柄が違う木材がズラリと並びます。

マルホン東京ショールーム

2019年内に、福岡にもショールームがオープン予定なのだそうです。

森と街を繋ぐモノ

マルホンでは、尾鷲で開催されている林業塾に毎年社員さんが参加されているそうで(僕も来年は参加予定です)、お話しもとても勉強になりました。本社の浜松のショールームにもいつか行ってみたいです。

マルホンでいただいた木材サンプル

マルホンでいただいた木材サンプル。こちらは尾鷲ヒノキ。強度が高く、傷がつきにくいという特徴があります。

東京からのお土産は、マルホンでいただいた尾鷲ヒノキのサンプル。ホントに良い香りがして、嗅ぐとほっとします。

ダイコンソウの実

キノコの写真を撮った近くには、ダイコンソウの実が。花の後の姿も良い被写体になってくれます。

最近の楽しみは、このブログで記事をする為にどこかへ出かけて、ヒトに会う事。そこでの会話や、(今回だと)紙や木の手触り、香りが後に残ります。しばらくは尾鷲ヒノキの香りを嗅ぎながら次はどこへ行こうか、考えるのもまた楽しくなってきました。

※以下、それぞれのページへのリンクです。
FSCジャパン
株式会社マルホン
王子ペーパーライブラリー
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ABOUTこの記事をかいた人

神戸出身、2016年から信州在住。植物のある生活、自然の中での生活について、このサイト(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。