いろいろな製品で見かける、FSCのマーク。
その意味は、一言でいうと「正しく管理された森の木を使った製品」です。
この記事は「FSCフォレストウィーク」という、FSC認証普及啓発キャンペーン(2019年7~9月)に出かけてお勉強してきた、そんな記事となります。
FSC認証について、なるべくわかりやすく解説しようと思います。
FSC認証とは? わかりやすく解説します!
![マルホンのショールームの「FSCフォレストウィーク2019」コーナー](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2390con.jpg)
FSCとは、Forest Stewardship Council(森林管理協議会)の略。
1994年に設立された非営利団体です。
「フォレストウィーク」というのは、FSCが開催する、普及啓発キャンペーンです。
普段の生活で見つけるFSCマーク
王子製紙(ネピア)のティッシュペーパー
![ネピアのティッシュペーパー(ネピネピメイト)](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2506con.jpg)
普段の生活でもFSCマークを時々見かけます。
ネピア(王子製紙グループ)のティッシュペーパーやトイレットペーパーは分かりやすい例です。
meiji「きのこの山」
![明治「きのこの山」](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2020/07/2W7A8252c2on.jpg)
製品の紙パッケージだと、例えば明治(meiji)の「きのこの山」(&「たけのこの里」)。
紙パッケージでFSCマークを見かける事はまだ少ないですが、こうして徐々に広まってきているのがFSCです。
消費者がFSCマークを選ぶ=森林を守る事に繋がる
![「きのこの山」にもFSCマークが](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2020/07/2W7A8254c2on.jpg)
このFSCマークの製品が増える事で、適切に管理される森が増える(違法伐採などを防ぐ)事になります。
世界的に広がるFSCの歴史
![速水林業の森](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/04/2W7A6488con.jpg)
FSCは1992年に暫定的な理事会が組織され、ワシントンD.Cで設立に向けての会議が行われました。
法人として正式に発足したのは1994年、事務局はメキシコのオアハカに置かれ、その後2003年にドイツのボンに移動しました。
日本のFSC認証は速水林業の森が最初
日本では、速水林業が森林認証を取得した2000年当時、英語で書類を作らなければいけなかったそうですが、その後FSCジャパンもできて申請も受験も日本語でできるようになっているようです。
王子製紙のような企業がFSCを取得したり、FSC認証紙が広まってきています。
前述の「ネピア」や「きのこの山」の他、企業の報告書やパンフレットなどでも見かけるようになっています。
FSCが広まってきている背景
![nepia(ネピア)のネピネピメイト](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2509con.jpg)
こうしてFSCマークが広まってきている背景としては、1980年代の熱帯雨林の森林破壊が発端です。
政府間パネルが開かれたりしましたが、先進国と発展途上国との対立関係(よくあるケースですね)によってあまり進展せず、民間のNGOが関与して第三者的な機関としてFSCが設立されたという経緯があります。
熱帯雨林の木が違法に伐採される事によって問題になるのは環境破壊だけではありません。
違法伐採では、伐採後の森の再生コストが含まれないので、木材が安く市場に出回ります。
そうすると、合法的にきちんと管理された木材が不利になります。
政府レベルでも、各国でFSCのような森林認証制度が広まっているのは、自国の林業(産業)を守りたいという思惑もあります。
改正レイシー法、EU木材法、クリーンウッド法など、各国の取り組み
![スターバックスの紙カップ(王子ペーパーライブラリーにて)](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2397con.jpg)
アメリカでは、「改正レイシー法」(2008年)によって違法伐採による木材の輸入・輸出はもちろん、販売・購入も禁じられています(違法伐採だと知らずに購入しても罰せられます)。
ヨーロッパでも同様に「EU木材法」(2010年)によってEU市場から違法木材を排除しようとしています。
日本でも、2017年から「クリーンウッド法」が施行されています。
自助努力を促すような内容で特に罰則もない、おだやかな法律ではありますが、政府規制へと動き出しています。
今回訪問した「フォレストウィーク」会場
今回、信州の山奥から東京に出かけて、2つの参加企業の会場を訪問しました。
一つは銀座、王子製紙(株)本社ビルの1階にある、王子ペーパーライブラリー。
もう一つは新宿パークタワーにある、(株)マルホンの東京ショールーム。
王子ペーパーライブラリー
![王子ペーパーライブラリー](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2399con.jpg)
王子ペーパーライブラリーは名前の通り、いろんな種類の紙が展示してあります。
紙のサンプルをいろいろ手に取って確認する事ができて、持って帰る事もできます。
デザイナーとか、出版・印刷関連の仕事をしている人は特に楽しめるんじゃないでしょうか。
マルホン東京ショールーム
![マルホン東京ショールーム](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2386con.jpg)
マルホンの東京ショールームは新宿パークタワーにあり、THE CONRAN SHOP (ザ・コンランショップ)とか、いろんなお店が入っていてインテリア関連は一通り揃うというような場所です。
マルホンでは、ズラリと並んだ木材は圧巻でした。
![マルホン東京ショールームの木材サンプル展示](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2377con.jpg)
木材の色味、堅さ、柄など、それぞれの個性を見せられると、樹木の見方の幅の広さを感じました。
大切に管理されてきた木材を見ていると、かつて森に立ち、花を咲かせ、タネを飛ばしていたであろう姿を想像させられます。
森と街を繋ぐモノ
![マルホンでいただいた木材サンプル](https://sambuca.jp/wp-content/uploads/2019/10/2W7A2512con.jpg)
マルホンでは、尾鷲で開催されている林業塾に毎年社員さんが参加されているそうで(僕も来年は参加予定です)、お話しもとても勉強になりました。
本社の浜松のショールームにもいつか行ってみたいです。
東京からのお土産は、マルホンでいただいた尾鷲ヒノキのサンプル。
ホントに良い香りがして、嗅ぐとほっとします。
最近の楽しみは、このブログで記事をする為にどこかへ出かけて、ヒトに会う事。
そこでの会話や、(今回だと)紙や木の手触り、香りが後に残ります。
しばらくは尾鷲ヒノキの香りを嗅ぎながら次はどこへ行こうか、考えるのもまた楽しくなってきました。
※以下、それぞれのページへのリンクです。
FSCジャパン
株式会社マルホン
王子ペーパーライブラリー
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