patagonia(パタゴニア)のジーンズ、オーガニックコットン

約2年、穿き込んだpatagonia(パタゴニア)のジーンズ

色落ちしていくジーンズの藍色は、なんて美しいんだろうと思います。学生時代、僕は古着が大好きで、ヴィンテージ・ジーンズに憧れていましたが、今でもデニムの美しい藍色を見るとトキメキます。「赤耳」「66モデル」「ビッグE」といったリーバイスのジーンズの生産年代による細かい違い、染色方法や古い織機の生地、、、たくさんのウンチクから成る藍色は、僕を魅了しました。

つまりはオタクの世界だったとは思いますが、当時と比較すると、ジーンズを取り巻く状況は随分変わりました。わざわざ高価なヴィンテージを買わなくても、手軽に復刻モデル(ビックリするくらいリアルに再現されています)を買えるし、逆に、超格安のジーンズも手に入ります。

約2年履き込んだパタゴニアのジーンズ

約2年穿き込んだパタゴニアのジーンズ。どちらかというと色落ちしにくいと思います。長持ちするのでありがたいです。

今も残るフロンティア・スピリット

そんな状況の中で、今でもアメリカからは新しいモノが生まれてくると思わせてくれるのがパタゴニアのジーンズです。リーバイスから始まったジーンズの歴史は、日本で「古き良き時代のアメリカ」が見直され、今では岡山が世界的に有名な生産地の一つですが、再びジーンズの基準を新しくするような、そんな動きがパタゴニアという企業から生まれているのは、アメリカという国が持つ多面性でしょうか。

パタゴニアのジーンズ

ロゴが藍色になっているのもお気に入りポイントです。

Made in USAを離れ、世界中で生産されるようになったジーンズに対し、クラフトマンシップの再評価という時代的流行を経て、同時に関心が高まっているのは、ジーンズという衣類が及ぼす環境への影響、そして人道的な問題です。

環境負荷が大きい衣類=ジーンズ

綿(コットン)は、アオイ科ワタ属の植物で、栽培には大量の農薬、除草剤、綿花の収穫の際には枯葉材が使われ、紡績後も洗浄、脱色、加工の為に大量の薬品が使われます。インディゴで染める工程では大量の水も使用されます。製造段階でわざと色落ちさせたりといったジーンズならではの工程の多さもあります。

綿(コットン)の種

こちらはパタゴニアのイベントでいただいた「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」で有機栽培された茶綿(和綿)の種。

こうした問題に早くから着手し、消費者にも訴えてきたのがパタゴニアです。1996年、綿製品に使用するコットンを全てオーガニックコットン100%に切り替え、他のアパレルメーカーにも大きな影響を与えてきました。その活動の詳細についてはここでは触れませんが、何故そうした成果が可能だったのか考えた時、僕が感じるのはパタゴニアの経営陣の(イヴォン・シュイナードやヴィンセント・スタンリー)の暖かい視点です。
イヴォン・シュイナードの父親はカナダのケベックからアメリカへやってきた移民だったそうです。

1908年、イヴォンの父親は、両親および10人の兄弟とともに列車でメイン州ルイストンへやってきた。(中略)家族連れで駅に着けば、その場で、仕事ができる体(6才以上)のメンバー全員が仕事を得られるし、そこから半ブロックで部屋が借りられる。この仕事は、当時、米国人は女性も含めて自分たちがする仕事ではないと考えるようになっており、その代わりを務めたのがフランス系カナダ人というわけである。
これは有意義な仕事だったのだろうか。当時、移民してきた我々の祖先は、そのようなことを考えもしなかっただろう。
(中略)
のちに工場は、労働組合の影響を受けない労働力を求め、ニューイングランド州からノースカロライナ州やサウスカロライナ州へ移転する。いまは、アジアや南米などの海外へ移転した。
『レスポンシブル・カンパニー』イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー

※以前の記事(『社員をサーフィンに行かせよう』、イヴォン・シュイナードとpatagoniaの本)で、上記の本を紹介しています。

イヴォン・シュイナードとパタゴニアの本

『社員をサーフィンに行かせよう』、イヴォン・シュイナードとpatagoniaの本

2018年4月23日
パタゴニアのジーンズの裾部分

裾を折り返すと、パタゴニアのロゴマークがチラリ。

綿畑では、第2次大戦中に神経ガス兵器として開発された農薬が今も使われ、中国・珠江の河口は未処理の染料で黒く染まり(上流には世界最大規模のジーンズ工場があります)、それらが影響を与えるのは植物や動物、そこに生活する人々であり(巡り巡って僕たちの生活にも影響がありますが)、アパレル産業のグローバル化によって見えにくくなっている事がたくさんあります。

当たり前のようで、気づきにくい事を教えてくれているのがパタゴニアの取り組みであり、ベースになっているのは、イヴォン・シュイナード達の、こうした暖かい視点ではないだろうかと思うのです。

縦落ち(色落ち)から、変わっていくジーンズの判断基準

パタゴニアのジーンズ、穿いてみたところ

シルエットはスッキリしていて、ストレッチが効いた生地は穿き心地も良いです。

古着マニアの学生から社会人になった僕は、あまり服にお金をかけないようになり「安さ=企業努力」という論理で買物していた時期もありました。知らず知らずのうちに自然破壊、生産者の労働環境の悪化に加担してしまっていたという反省。

約2年、穿き込んだpatagonia(パタゴニア)のジーンズの色落ち

2年穿き込むと、なかなかキレイに色落ちしていると思います。

オーガニックコットン、サスティナビリティ、人道的な配慮(サプライチェーンの管理)。これまでの、ヴィンテージ・ジーンズのディテールや、色落ちのウンチクに変わって、新しい基準が作られつつあります。
オタク的な、理屈っぽい僕の性格は変わることはないのでしょうが、責任を持つ範囲は広がってきていると信じたいです。少なくとも、美しいと思うジーンズの藍色の基準がアップデートされている事は誇れるような気がします。

※下記、patagonia公式サイトへのリンクです。
https://www.patagonia.jp/

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2 件のコメント

  • shojiさん
    いつも楽しく拝読しています。今回は非常に気になるテーマ でした。繊維産業の環境へインパクトは 私も聞きがじっており、タオル一枚
    Tシャツ一枚 買うにしても でどころが気になりますし 自分が使用したのちゴミとなるものが自然界に帰れるものかどうかも。
    最近は麻という素材に魅力を感じますが、つくづく 購買はあくまでも最終手段 そして最小限がいいなと 若い頃とは全く違う自分になっています。
    エコ先進国スイスなどに比べると アメリカも日本も無駄と思える 過剰な包装やプラスチックがまだまだ溢れており 悲しい気持ちになります。
    多くの方々の小さな努力と 大きな組織や社会のトップが重要な決断を早くしなければ取り返しのつかないところまで来ていると思うのですが、、

    • みさおさん!コメントありがとうございます!
      まさに、おっしゃる通りで、取り返しのつかないとこまで来ているはずなのですが、
      社会の仕組みの改善のスピードはまだまだ不足していますね!
      オーガニックコットンについては、アメリカが先駆的に取り組んで、
      当初はオーガニックコットンがとても高価だったのが、
      現在はブラジルなど、他の地域でも栽培されるようになって、かなり身近になってきています。
      日本の企業でもMUJI(無印良品)が現在はコットン製品のほぼ全てをオーガニックコットンにしているようです。

      ファッションがきっかけで、綿や植物、自然についての興味や関心に繋がる事もあるので、
      こうした記事も書いていますが、みさおさんのような方に読んでもらっていると思うと、とても嬉しいです(^。^)
      そうそう、みさおさんの料理で思い出しましたが、アメリカと言えば、
      料理だとアリス・ウォータースのような先進的な人やムーブメントが生まれてくるのも、
      僕としては興味深いです(^。^)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    神戸出身、2016年から信州在住。植物のある生活、自然の中での生活について、このサイト(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。