今シーズンは暖かいとはいえ、山暮らしの冬はまだそれなりに寒くて、もう少しの間、雪景色です。
このような寒冷地では、気を付けたいのは寒さはもちろん、乾燥です。
氷点下になると、湿度が急に下がるのです。
そんな寒い季節、鍋料理が大活躍です。
鍋から出る湯気が、温度と湿度、気持ちもアゲてくれます。
調理中は加湿器の表示数値がグングンと上がり、ちょっと得した気分になるのです(笑)。
鍋料理、冬と言えばダイコン。
というわけで、今回は植物としてのダイコンについて書いてみたいと思います。
大根役者、大根足、ブリ大根…
「大根役者」「大根足」という言葉があったり(最近はあまり使わないですが)、ブリ大根や切干大根とか、料理名としての存在感からしても歴史のある植物ですね。
以前の記事『春の七草粥』でも書きましたが、雑草の類である5種に冬野菜であるダイコン(スズシロ)とカブ(スズナ)を加えたのが春の七草です。
日本での歴史も長い、ダイコンという野菜
野菜としての伝統はかなり長い部類に入りますが、それもそのはず、起源となる植物は古代エジプトでも栽培が行われていたようで、日本では中国を経て、縄文時代か弥生時代に日本に入ってきたとされます。
以来、こうして食べ続けられているのは日本人と日本の環境にマッチしたという事と、ダイコンの植物としての力ですね。
カイワレダイコンの茎がダイコンの上の部分
「大根」という漢字は、大きな根、太い根、という分かりやすい名前ではありますが、食用する部分、全てが根というわけではなくて、胚軸(はいじく)という部分も含まれます。
上の方のツルツルしている部分は、カイワレ大根の時は茎だった部分(胚軸)が太くなったのであって、根ではありません。
そして、その胚軸の部分は辛くなくて、アブラナ科特有の辛味は根の部分(下の方)。
ダイコンの根の部分は、辛いのが特徴である。根っこは、地上で作られた栄養分を蓄積する場所である。しかし、せっかく蓄えた栄養分を虫や哺乳動物に食べられてはいけないため、辛味成分で守っているのである。
『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』稲垣栄洋(著), 西本眞理子(イラスト)
ロシアのカブ、フランスのカブ
春の七草の野菜のもう一つ、カブはダイコンと非常に似ていますが、日本での現在の出荷量は圧倒的にダイコンの方が多いです。
所変われば、ロシアではカブが人気だったようで、絵本『おおきなかぶ』は、そんな表われでしょうか。
それが、フランスではカブはあまり人気がないらしく、大根役者の事を「カブ役者」と呼ぶそうです。
ちなみに英語圏では「ハム役者」です。
ダイコンの花の季節までもう少し
この記事を作るにあたり、「大根おろしアート」をやってみよう、て事になって、以前の記事で紹介したムーミンのクッキー型が再び活躍しましたが、ロシアやムーミン谷のユーモアを頂きながら、「うんとこしょ どっこいしょ」のリズムで越冬、もうひと踏ん張りです!
植物名 | ダイコン |
漢字名 | 大根 |
別名 | スズシロ(蘿蔔、清白) |
学名 | Raphanus sativus var. longipinnatus |
英名 | Japanese radish |
科名・属名 | アブラナ科ダイコン属 |
原産地 | 中央アジアから地中海沿岸 |
花期 | 4~5月 |
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