オオバタネツケバナとクレソンの味(アブラナ科の旅と山暮らしの食卓)

オオバタネツケバナ(春先のまだ背が低い状態)
オオバタネツケバナ(春先のまだ背が低い状態)。

先日、これまでクレソンだと思って食べていた野草が、オオバタネツケバナという別の植物なのでは? と気づいて調べてみたので、記事にしておこうと思います。

クレソンは帰化植物

クレソン
こちらはクレソン。

クレソンの和名はオランダガラシ、日本には明治時代に移入されたとされます。

帰化植物として各地に野生化しているので、我が家の近く(信州の山間部)にクレソンが自生していても不思議ではないのですが、よくよく観察してみるとクレソンにしては背が高く、上部の葉が小さい(細い)のです。

オオバタネツケバナは上高地にも生息する植物

オオバタネツケバナの花
オオバタネツケバナの花。

気になって調べてみると、クレソンだと思っていたのはどうやらオオバタネツケバナという植物のようです。

『上高地の花ハンドブック』や『上高地の植物』といった本にも掲載されています。

『上高地の植物』から少し抜粋します。

水田の雑草のタネツケバナに似ているが、葉が大きいので異なる。白色の小さい花が枝の先に集まって咲く。少し辛味があるが、食用にする地方もある。

『上高地の植物』(オオバタネツケバナ)
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『上高地の植物』には、大正池周辺の水湿地に分布する、とも書かれています。

ちなみに、上高地に関する本については、『上高地の本、オススメ3冊と3つの出版社』という記事を作っています。

オオバタネツケバナはアブラナ科タネツケバナ属

タネツケバナ
こちらはタネツケバナ。

“水田の雑草のタネツケバナに似ている”とありますが、タネツケバナの仲間(アブラナ科タネツケバナ属)は変異も多いので細かく見分けるのは難しいようです。

『日本の野草』(山渓カラー名鑑)には、下記のような植物が紹介されています。

アブラナ科タネツケバナ属の植物

・タネツケバナ
・ミヤマタネツケバナ(ミネガラシ)
・コンロンソウ
・マルバコンロンソウ
・ヒロハコンロンソウ

タネツケバナの名前の由来は「種漬花」

ちなみにタネツケバナは「種漬花」と書き、種もみを水に漬けて、苗代の準備をする頃に花が咲く、というのが由来のようです。

水田と共にある、そんな名前なんですね。

オオバタネツケバナの味はクレソンとほぼ同じ

オオバタネツケバナの上部の葉
オオバタネツケバナの上部の葉。

上記のタネツケバナの仲間は、食べ比べた事はないのですが、オオバタネツケバナに関しては、クレソンとほぼ同じ味がします。

アブラナ科らしい辛味が強く、むしろ肉料理なんかにはクレソンよりも合うのでは? と思っています。

『風立ちぬ』のクレソン・サラダ

オオバタネツケバナを使ったクレソンサラダ
オオバタネツケバナを使った、我が家のクレソンサラダ。

クレソンの料理と言うと、僕にとっては(宮崎駿監督の)『風立ちぬ』が思い浮かびます。

謎のドイツ人・カストルプが山盛りのクレソンサラダを食べるシーンが印象的なんですよね。

当時、軽井沢に滞在する外国人の為にクレソンが栽培されたそうですが、その辛さはやはり西洋の食事に添えられるものだったのかなぁ、と想像します。

アブラナ科の旅と山暮らしの食卓

オオバタネツケバナの花と葉
オオバタネツケバナの花と葉。

もし、肉料理やマスタードをあまり食べない時代に生きていたら、オオバタネツケバナを食べても「辛っ」と敬遠していたかも。

料理によって植物のニーズも変わっていくし、利用のされ方によってネーミングも変わりますね。

現代であれば、種漬花よりも和製クレソン、でしょうか。

オオバタネツケバナの辛さ(&苦さ)を味わいながら、アブラナ科の旅に思いを馳せる、信州の山暮らしの食卓です。

植物名オオバタネツケバナ
漢字名大葉種漬花
別名ヤマタネツケバナ
学名Cardamine regeliana
英名Japanese bittercress
科名・属名アブラナ科タネツケバナ属
原産地日本、朝鮮島半島、中国など
花期4~6月
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Shoji(しょうじ)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。