ニワトコは、ヨーロッパでは初夏を告げる花木でもあります。
日本でも、花(エルダーフラワー)のコーディアルが身近な存在になってきていると思うのですが、今回はそんなニワトコの木について。
ニワトコとセイヨウニワトコの違い
ニワトコは日本に自生する植物で、セイヨウ(西洋)ニワトコはアフリカやヨーロッパ、西アジアに分布し、日本には明治時代に移入された植物です。
どちらも「レンプクソウ科ニワトコ属」で、植物としてはとても似ています。
大きな違いとしては、その利用のされ方ではないでしょうか。
西洋ニワトコはエルダーフラワー&エルダーベリー
西洋ニワトコは、エルダーフラワーやエルダーベリーという、花や実としての名前の方が有名かも知れません。
ヨーロッパでは西洋ニワトコの花をコーディアル(シロップ)にしたり、初夏を知らせる花として身近な存在です。
薬用利用やハリーポッターの杖
また、ギリシャ・ローマ時代から薬用利用されていたり、魔除けとして庭に植えられる地域もあったります。
『ハリー・ポッター』にはニワトコの杖が登場します。
「問題があるのだ、セブルス」ヴォルデモートが静かに言った。
『HARRY POTTER ハリー・ポッターと死の秘宝』(第32章「ニワトコの杖」より)
「わが君?」スネイプが問い返した。
ヴォルデモートは、指揮者がタクトを上げる繊細さ、正確さで、ニワトコの杖を上げた。
「セブルス、この杖はなぜ、俺様の思いどおりにならぬのだ?」
「死の杖」「宿命の杖」とも呼ばれる、ニワトコの杖。
欧州の人々にとっての、ニワトコという植物の魔性を感じさせますよね。
※ちなみに、映画『ハリー・ポッター』はU-NEXTにて31日間無料で視聴できます(2022年4月現在)。
サンブーカのハーブとして(ニワトコの花のお酒)
その他、このブログ(sambuca)の名前の由来でもあるサンブーカというリキュールの中には、エルダーフラワー(イタリア語ではサンブーコ)が使われている銘柄もあります。
日本のニワトコは若芽を山菜に
日本のニワトコはどうか。
花や実を、欧州のように食用にするのは一般的ではないですよね。
『山菜採りの教科書』(大泉書店)には、春の若芽の食べ方に加えて、天日乾燥させて薬用にされる事が紹介されています。
盛夏の葉を天日乾燥させ、腫れものなどに煎じて服用するほか、間接の痛みなどに葉を煎じた液で温湿布する。
『山菜採りの教科書』(大泉書店)
いろんな使われ方がされてきたとはいえ、日本国内でのニワトコは、若芽を天ぷらにしたり、というのが(どちらかと言うと)有名なのではないでしょうか。
ただ、僕は信州に移住してから初めてニワトコの天ぷらを食べました(それまで知らなかったです)。
コーディアルはカルディやIKEAでも
そんなこんなで、利用のされ方が違っている西洋ニワトコと日本のニワトコですが、西洋ニワトコのエルダーフラワーとしての利用は、今後は日本国内でも増えてくるかな?と感じます。
カルディやIKEAでも見かけるからです。
案外、欧州と同じように、初夏の味を楽しんでいる家庭も多いのかも知れません。
我が家はエルダーフラワーのコーディアルを炭酸水で割るのが好きですね。
ニワトコの旅と、初夏の味
春の山菜として天ぷらになったり、花がシロップになったり、枝は魔法の杖にもなる。
ニワトコ属の旅も、なかなか面白いです。
信州の山間部も、遅ればせながら炭酸のシュワーッが美味しい季節になってきました。
あなたにとっての初夏の味は?
いろんな人に聞いてみたいです。
植物名 | セイヨウニワトコ |
漢字名 | 西洋接骨木 |
別名 | パイプツリー※日本のニワトコの別名はタズ、タズノキ |
学名 | Sambucus nigra |
英名 | Elder |
科名・属名 | レンプクソウ科ニワトコ属 ※旧分類ではスイカズラ科 |
原産地 | ヨーロッパ、北アフリカ |
花期 | 5~6月 |
shojiさま
私もエルダーフラワーシロップのサイダー割りも好きですよ。でも長ーく寝かせた梅酒の炭酸割りがより好きかも。
西洋エルダーフラワーが街の近くでは見つからないので残念です。
真理子さん
長ーく寝かせた梅酒の炭酸割りですか(^。^)
美味しそう!
ニワトコの木、ヨーロッパではけっこう植えられているのに比べると日本ではマイナーですよね、
コメントありがとうございます(^。^)