ズッキーニの夏からカボチャの秋へ(ウリ科カボチャ属の野菜)

西洋カボチャをジャック・オー・ランタン風に

知り合いの畑で、カボチャやズッキーニを観察したのは夏の暑い日でした。

早いもので、もう10月の下旬。買物に出かけると、ほんの少し前まで山積みだったズッキーニの売場は小さくなり、代わってハロウィンの売場は最盛期です。

畑の西洋カボチャ(セイヨウカボチャ)

畑のカボチャ。9月の初めに撮った写真です。

近年のハロウィンは仮装イベントとして盛り上がっていますが、考えてみれば山積みのズッキーニというのも、まだ新しい光景です。

ズッキーニの花

こちらはズッキーニの花。花ズッキーニとして花も食用になります。

増えるズッキーニ、変わるカボチャの内訳

ズッキーニの日本国内の収穫量はこの20年で4倍以上に増えていて、シェアは長野県が全国1位です(30%以上)。カボチャはどうかというと、この20年で出荷量はほぼ横這い。シェアは北海道が圧倒的に多いです(50%以上)。
※いずれの数値も農林水産省のデータから。

黄色のズッキーニと緑のズッキーニ

黄色のズッキーニと緑のズッキーニ。夏の間、たくさんのお裾分けをいただいて、ピクルスやスープ、パスタに使ったり、毎日のように食べました。

カボチャが日本に伝わったのは室町時代、鉄砲やキリスト教と同時期にポルトガル船から伝来したとされますが、このカボチャは今でいう「日本かぼちゃ」。その後、明治時代にアメリカから伝わったのが「西洋かぼちゃ」で、北海道産のカボチャも含め、現在のカボチャの主流です。現在流通しているカボチャは、これらに「ペポかぼちゃ」(ズッキーニ等を含む品種群)を加えた3つに大別されます。

カボチャの花

カボチャの花。日本国内で流通しているカボチャの多くがセイヨウカボチャ(西洋カボチャ)です。

ズッキーニはもっと新しいですね。日本に入ってきたのは1980年頃だそうで、なるほど前述の「20年で4倍以上」という急速な普及を実感します。ほんの少し昔までキュウリと似ている野菜、なんていうイメージもありました。

関西では南京、呼び方いろいろ

カボチャでクッキング

カボチャ料理を作ります。こちらは中身をくりぬいているところ。ちなみに、カボチャの果肉には種子の発芽を抑制する物質が含まれているそうです。食材として、日持ちするカボチャならではの特徴ですね。

大阪に住んでいた子供の頃、近所の八百屋で「カボチャちゃう、ナンキンやで」と言われた記憶があります。あの時のカボチャはたぶん日本かぼちゃだったと思うのですが、昔のカボチャのイメージは外側のくぼみが深くて、明らかに西洋かぼちゃとは違っていました。

カボチャでクッキング

中身を詰めてオーブンで焼きます。

名前にも、それぞれの時代が現れます。南瓜という名前の由来は「南蛮渡来の瓜」で、カボチャはカンボジア経由で入ってきた事から「カボチャ瓜」が元々の呼び方だったようです。ズッキーニはイタリア語の「zucca=カボチャ」から「小さいカボチャ」の意味で「zucchini」(ズッキーニ)。日本語では「つるなしカボチャ」という呼び方もあって、畑の姿を見ると納得です。

ちなみに「パンプキン」はアメリカやイギリスではハロウィンに使われるようなオレンジ色のカボチャの事を指し、日本で言う「カボチャ」の訳語としては、squash(スクウォッシュ)が適当のようです。

ウリ科カボチャ属の総称としてスクウォッシュという呼び方があり、様々なスクウォッシュ(カボチャ)があります。アメリカでは、ペポかぼちゃの事をまとめて、summer squashと呼び、ズッキーニもサマー・スクウォッシュの一種。

バターナッツ・カボチャ

ヒョウタンのような形をした、バターナッツ・カボチャ。バターのようにクリーミーな肉質と、ナッツのような風味、というのが名前の由来。最近、スーパーマーケットでも見かけるようになってきました。

例えば最近スーパーマーケットでも見かける、バターナッツ・カボチャはバターナッツ・スクウォッシュ。南瓜、南京というような呼び方は廃れていって、今後出てくる名前は外来語そのまま、が増えるのでしょう。

バターナッツ・カボチャを切ったところ

バターナッツ・カボチャの断面。繊維質が少ないので、ポタージュスープに向いています。

変わるもの、変わらないもの

ともあれ、食欲の秋、ハロウィンの秋です。カボチャの畑は荒涼としていて、蔓がすごい勢いで広がっていた夏が嘘のようです。巡る季節の積み重ねによって、ほんの数か月前、数年前の事でさえ、はるか遠い昔に思えたり忘れてしまったりします。

焼き上がったカボチャ料理

オーブンから取り出したカボチャ。

時代とともに、求められるカボチャは(その名前も)変わっていきます。変わらないものがあるとすれば、加熱した時の「ホクホク」や「ホッコリ」でしょうか。これから先10年とか20年、50年先も、僕たちはウリ科カボチャ属の野菜にホクホク、ホッコリさせられているに違いありません。

カボチャ料理をいただきます

秋から冬にかけて、カボチャの優しい甘さにホっとさせられます。

植物名 カボチャ
漢字名 南瓜
別名 ナンキン(南京)、トウナス(唐茄子)
学名 Cucurbita maxima
英名 Squash
科名・属名 ウリ科カボチャ属
原産地 中央アメリカ
花期 6~8月
広告
広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

神戸出身、2016年から信州在住。植物のある生活、自然の中での生活について、このサイト(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。