ニリンソウは群生している事も多くて、目立つ花です。
山野草の中ではメジャーな存在で、知っている人も多いです。
ニリンソウをきっかけに、近くで咲いている小さな花に気づく事もあると思うので、今回はそんな記事を作ってみました。
ニリンソウの季節に見られる花
ニリンソウが咲いているのを見ると、春も本番です。
信州だと上高地では5月中旬から、低地では4月から咲き始めます。
半日陰を好む植物なので、見つけるのは森の中とか、少し暗い場所です。
6月になると暑い日もあって、ヒンヤリ涼しく感じられるような、そんな環境です。
すると、近くには同じような環境を好む植物の花を見つけられます。
ズダヤクシュ
小さな白い花を下向きに付けるズダヤクシュ。
喘息の事を信州の木曽地方で「ズダ」といい、この植物に薬効があるという事から付いた名前です。
ツルネコノメソウ
ニリンソウやズダヤクシュよりも湿り気が多い場所には、ツルネコノメソウを見つける事が多いです。
葉と花が一体となっているように見え、独特な姿です。
ネコノメソウの仲間は他にもありますが、このツルネコノメソウはひょろひょろとしています。
キバナノコマノツメ
スミレ科のキバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)も、湿った岩場などでよく見かける植物です。
馬(駒)の蹄(ひづめ)のような葉、という名前です。
コチャルメルソウ
ツルネコノメソウに気づいて、その近くに多いのがコチャルメルソウ。
よく見ないとわからないくらい小さな花ですが、何かの記号のようでもあり、魚の骨のようにも見えます。
写真を撮るにはピントを合わせにくく(日陰だし)、カメラマンには厳しい条件です(笑)。
ニリンソウの花期の終わりとスプリングエフェメラル
今回の記事のきっかけとしたニリンソウについても触れておきます。
地下茎で繁殖し、大群落を作るニリンソウですが、夏には地上部が枯れて姿を消します。
こうした植物は「スプリング・エフェメラル」、春の妖精とも呼ばれます。「エフェメラル」は「はかない」や「つかの間の」という意です。
ニリンソウはスプリング・エフェメラルの中では最も遅い時期の花で、つかの間の春がもうすぐ終わる、そんなサインでもあります。
本当にたくさんの植物が生い茂る、信州の賑やかな夏は、もうすぐです。
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