ウバユリは、山間部でスッと立っている姿が印象的な植物です。
そして花期よりも、立ち枯れてドライフラワーになった姿の方が印象的です。
そんなウバユリにこの夏、毎日のように赤トンボ(アキアカネ)が止まっていたのが、ここ数日は見かけません。
いよいよ秋かなぁと思ったので、そんな事を記事にしてみます。
ウバユリの実と冬
冬の日の朝、ウバユリの上にサラサラの雪が積もっていたりします。
冬のカラマツ林は静寂の世界です。
雪をかぶったウバユリを見ると、虫の音や鳥の声で賑やかだった夏を振り返って、懐かしく感じる時もあります。
ドライフラワーにも
立ち枯れしたウバユリは冬を越して残っている個体も多いです。
夏にドライフラワーとして飾ると、インテリアにも合わせやすいし、涼しげな雰囲気もあります。
ウバユリの花の季節(名前の由来)
冬の立ち枯れ(ドライフラワー)の季節に比べると、ウバユリの花の季節は一瞬ですが、名前の由来は花期の特徴を捉えたものです。
『山渓カラー名鑑 日本の野草』から少し引用します。
花盛りのころには、根もとの葉が枯れてなくなることから、葉のないのを歯なしの姥(うば)にたとえて、ウバユリの名がついた。(中略)茎の先端に数個つく花は水平にでて、長さ7~10センチあり緑白色をしている。
『山渓カラー名鑑 日本の野草』
花言葉は「威厳」「無垢」
ちなみに、ウバユリの花言葉は「威厳」「無垢」だそうです。
個人的な感想としては、威厳は夏の花のイメージ、無垢は冬の立ち枯れのイメージに近いかなと思います。
実の季節の始まり
花期が終わり、花弁が散ると、ウバユリの実の季節です。
少しずつ大きくなっていく実を窓から眺めるのですが、この夏はアキアカネが止まっているのを観察できました
アキアカネ(赤トンボ)は夏は山へ、秋になれば平地へ
アキアカネは一般的には赤トンボと呼ばれます。
夏の間は避暑のために山間部で過ごし、涼しくなったら山を降り、低山地や平地に移動する事が知られています。
※そうしたアキアカネや赤トンボ(アカネ属)の特徴や生態についてはこちらの記事『神戸のトンボ/トンボの生態学(アカトンボ)』が詳しいです。
アキアカネのお気に入りの場所
それにしても、我が家の窓の向こうのアキアカネは1か月近く、毎日のように同じウバユリに止まっていました。
アキアカネにとって、ウバユリの高さや細さ(?)はよほど、お気に入りなのでしょう。
大雨の日はどこかに避難していたようですが、晴れるとまた戻ってきます。
写真を撮っていたら、ウバユリの実が少しずつ大きくなっていくのも記録できました。
それぞれのお気に入りの場所
そんなアキアカネの様子を見ながら、自分にとってのお気に入りの場所はどこだろう?と。
自宅はもちろん、過去に住んでいた部屋や、よく行くお店なんかも、お気に入りの場所として、思い浮かびます。
「あのお店のカウンター席の右端」という風に、自分の居場所や時間を作っていたり、しますよね。
夏の終わりとアキアカネの旅、ウバユリの秋
花の蜜や熟した果実だけでなく、ヒトは植物にいろんな要素を求めますが、それはアキアカネも同じかも知れません。
いずれにせよ、我が家周辺のアキアカネはここ数日、見かけなくなりました。
ウバユリのような場所を探して、旅しているのでしょうか。
日本各地の街の暑さも和らいでいきますね。
カラマツ林は寒くなり、あそこにアキアカネが止まっていたんだと思い出す、秋の始まりです。
植物名 | ウバユリ |
漢字名 | 姥百合 |
別名 | |
学名 | Cardiocrinum cordatum |
英名 | なし |
科名・属名 | ユリ科ウバユリ属 |
原産地 | 日本 |
花期 | 7~8月 |
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