スーパーマーケットにイチゴが並ぶのは12月下旬から2月くらいでしょうか。
イチゴ狩りのシーズンも冬から早春です。
この記事では、それらのオランダイチゴ属のイチゴを交えながら、野いちごの代表格・ナワシロイチゴと、他の野イチゴ・ベリー類についても紹介します。
野イチゴとベリー類を味わう、山暮らしの夏
英語ではストロベリーと呼ばれる、バラ科オランダイチゴ属の品種が典型的なベリーであるのに対して、信州の山奥に住む我が家にとってのベリー類とは野イチゴ(特にナワシロイチゴ)やブルーベリーであり、時季は冬ではなく夏です。
植物学的には別種のベリー類
ベリー類というのは定義が曖昧で、植物学的には別の科だったりします。
上記「オランダイチゴ属」のバラ科には他に、キイチゴ属、キジムシロ属等があり、その中のいくつかの植物と、ツツジ科スノキ属のブルーベリーやクランベリーを加えると、いわゆるベリー類のイメージになります。
ストロベリーはオランダから(オランダイチゴ)
ストロベリーは江戸時代にオランダから移入され、オランダイチゴと名付けられた後、様々な品種改良を経て、現在の「とちおとめ」「あまおう」等のブランドが出来ています。
キイチゴ属、キジムシロ属もバラ科
バラ科キイチゴ属にはラズベリーやブラックベリーがあり、それぞれに栽培品種がありますが、オランダイチゴほどには栽培品種名は有名ではないかもしれません。
キジムシロ属にはヘビイチゴ等が含まれますが、あまり味がなく、食用には向きません。
食べられる野生のベリー
信州の「夏のベリー」には主に2つあって、1つはキイチゴ属に含まれる、野生のイチゴ。
いくつか種類がありますが、食用にできるのはナワシロイチゴやニガイチゴ等です。
場所によっては群生していて、見つけたら嬉々として収穫します。
自生のキイチゴ属、ジャパニーズ・ラズベリー
ヨーロッパでは古くから、同じ仲間のキイチゴ属の品種が栽培されていて、ラズベリーやフランボワーズ(フランス語名)として有名ですが、日本の自生のキイチゴ属はJapanese raspberry(ジャパニーズ・ラズベリー)、素朴な味です。
寒冷地でも栽培されるブルーベリー
夏のベリー、2つ目はブルーベリー。
こちらは自生ではなく、栽培です。
信州の高原の冷涼な気候でも育つ耐寒性がある、ハイブッシュ系という品種群で、収穫期は7月から8月。
家の近所にブルーベリー園があり、以前から気になっていたのですが、今夏初めてブルーベリー狩りに行きました。
ハイブッシュ系の中でもいろんな種類があり、株ごとに少しずつ味が違います。
今年は雨が少なかったので糖度が高くなり、美味しいのだとか。
他の海外原産のベリー
ちなみに、海外原産のベリーとしては他に、ブラックベリー(キイチゴ属)やグーズベリー(スグリ属)があります。
摘みたてを味わう夏
雪に閉ざされる冬、信州の山間部ではイチゴだけでなく、ホントに何も収穫できませんが、そんな季節のコントラストもまた、夏のベリーの味を引き立てます。
神戸に住んでいた数年前、庭で採れたという信州のブルーベリーを知り合いからいただいて、その美味しさに感動した事がありました。
今、こうして自分で摘み取ってその場で食べている事は、いろんな意味で美味しいのです。
ブルーベリーもラズベリーも、共通しているのは摘みたてを味わうという山暮らしならではの夏。
実も花も味わう、山暮らしのベリー
冬、店頭に並ぶオランダイチゴは「美味しくて当然」という信頼感のようなものがあります。
自然の中で生活している者にとってのベリーは、花が咲き、段々と大きくなっていく果実を見て、香りを嗅いで、食べてみたら味がなかったり、酸味が強すぎたり。
山暮らしにとってのベリーとは、甘さも酸っぱさも、期待外れの味もまた良しと思えるような、そんな存在のような気がします。
植物名 | ナワシロイチゴ |
漢字名 | 苗代苺 |
別名 | サツキイチゴ(五月苺) |
学名 | Rubus parvifolius |
英名 | Japanese raspberry |
科名・属名 | バラ科キイチゴ属 |
原産地 | 日本、台湾、中国など |
花期 | 5~6月 |
※下記、今回の記事作成の参考にした本です。
コメントを残す