ヴィヒタ作りに挑戦【作り方&使える樹種についての考察】

ヴィヒタ作りに挑戦!
今回はヴィヒタ作りに挑戦です。

以前、松本・タビシロでのサウナ体験記を書いたのですが、その際、ヴィヒタというものを初めて体験しました。

その後、サウナー(サウナ好き)の聖地(!?)とも呼ばれる、野尻湖「The Sauna」の野田クラクションべべーさんにお会いしたり、詳しい人達に話しを聞いたので、ヴィヒタについて、記事にします。

「The Sauna」の野田クラクションべべーさんにヴィヒタの作り方を教わりました
「The Sauna」の野田クラクションべべーさんにヴィヒタの作り方を教わりました。

ヴィヒタとは?

タビシロのサウナ室
こちらは松本・タビシロのサウナ室にて。

ヴィヒタとは、サウナで使われる、植物の枝葉を束ねたものです。

サウナの本場・フィンランドでは日常的に使われるらしく、スーパーマーケットでも販売されているそうです。

何の為に使う?

ヴィヒタとは?
ヴィヒタとは、サウナで体を叩いたり、香りを楽しむ為のものです。

このヴィヒタ、何の為に使うのかというと、サウナで温まった身体をヴィヒタで叩く、という独特な道具(?)なのです。

効果として、血行促進や殺菌作用など、と言われていますが、どちらかというと枝の感触とか葉の香りを楽しむ、リラクゼーションという要素の方が強いのかな?と個人的には思います。

ヴィヒタで叩く=ウィスキング

ちなみに、ヴィヒタで叩いたり、マッサージしたり、という施術は「ウィスキング」と呼ばれます。

ヴィヒタの作り方

では、ヴィヒタの作り方です。

枝葉を集める(収穫)

こちらはシラカバ
こちらはシラカバ。

まず、ヴィヒタの素材となる、枝葉を集めます。

樹種は何でもOK(有名なのはシラカバやオーク)

ヴィヒタ用にミズナラの枝葉を採取
こちらはミズナラ。

樹種については、シラカバやナラ(柏やコナラ、ミズナラ)、オーストラリアだとユーカリなど、様々な樹種が使われます(詳しくは後述します)。

今回は我が家の敷地内のシラカバとミズナラで、それぞれ作ります。

選定&加工

ヴィヒタの持ち手になる部分の葉を取り除きます
ヴィヒタの持ち手になる部分の葉は、取り除きます。

収穫した枝葉を選びながら、まとめます。

持ち手の部分は、後から麻ひもで縛るので、葉っぱを取り除いておきます。

束ねて麻ひも等で縛る

ヴィヒタの持ち手の部分に麻ひもを
持ち手の部分に麻ひもを巻きます。

枝の本数も様々なのですが、一般的なサイズのヴィヒタとしては、20本~40本くらいの枝を使う事が多いようです。

束ねて、麻ひもで縛ると、ひとまず完成です。

乾燥させる(乾燥ヴィヒタの場合)

完成したヴィヒタ
一応、これで完成です。

そのまま「生ヴィヒタ」として使う場合もありますが、流通しているヴィヒタの多くが、乾燥させたものです。

乾燥させるには、ドライフラワーと同じように吊るして干します。

日光に当てないように乾燥させる&保管

ヴィヒタを乾燥させます
ヴィヒタを乾燥させます。

注意点としては、乾燥させる際は日光に当てない、という事です。

そうする事で、鮮やかな緑色が残ります。

日光に当てると退色して、茶色になってしまいます。

また、扇風機などで風を当てながら乾燥させると、良いらしいです。

評判が良いヴィヒタを使ってみるのもオススメ

詳しい人からよく聞くのは「ウィスキングやヴィヒタを知らずに作っている人が多い」という意見です。

「しらかばスポーツ」など、評判が良いものを実際に使ってみると、ヴィヒタがどういうものなのか理解できるので、まずは買ってみるのもオススメです。

ヴィヒタの使い方

使用前、ヴィヒタを水に浸けます
使用前、ヴィヒタを水に浸けます。

乾燥ヴィヒタの使い方は、使う前の準備がポイントです。

使用前に、水に浸して戻す事で葉が柔らかくなり、香りが出ます。

サウナで使う前30分とか、という説明をよく目にしますが、野田さんはフィンランドにて、2時間前から(!)浸けておくのが良い、と教わったそうです。

ヴィヒタの香りと樹種

水で戻したヴィヒタ
水で戻したヴィヒタ。

今シーズン、ヴィヒタの事を初めて知って「香りのある樹木」について、知識が増えました。

シラカバが香る、という認識はこれまでなかったのですが、実際ヴィヒタを作ってみると、確かに香ります。

『日本の森から生まれたアロマ』『カバノキの文化誌』
『日本の森から生まれたアロマ』と『カバノキの文化誌』。

この「香る樹木」については、『日本の森から生まれたアロマ』『カバノキの文化誌』などの本を読んで、とても勉強になったので、また別に記事にしようと思います。

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どんな樹種がヴィヒタに向いている?

自分で作ったヴィヒタでウィスキング
自分で作ったヴィヒタ(ミズナラ)でウィスキング。

ウィスキングというのはなかなか奥が深いようで、用途に応じてシラカバやナラの他、カエデやササの葉なんかも、使われる事があるようです。

「香り」だけではなく、感触であったり、ウィスキングには様々な要素があるので、どんな樹種がヴィヒタに向いているのか、一概には言えないんですね。

日本のシラカバのヴィヒタ
こちらはシラカバ。

ただ、前述の『カバノキの文化誌』などを読むと、欧州のシダレカンバ(シラカバの仲間)やオウシュウナラ(ヨーロピアンオーク)は、ヴィヒタにとても向いているようです。

香りの強さや枝の「しなり」、採取のしやすさ、オークについてはウィスキングの際に葉が落ちにくい、といった特徴があります。

欧州のバーチやオーク=日本のカバノキやナラの木

カシワ
黄葉したカシワの葉。庭木でもよく見かける、柏餅のカシワです。

とは言え、シダレカンバやオウシュウナラは、日本にはありません。

近い樹種としては、シダレカンバは日本のシラカバやダケカンバ、ミズメ(ミズメザクラ)などが、同じカバノキ科カバノキ属の仲間です。

オウシュウナラだと、同じブラ科コナラ属のコナラやカシワ(柏)、ミズナラ(ジャパニーズオーク)が似た樹種です。

ミズナラの新緑

それぞれの地域のヴィヒタがある?

オーストラリアではユーカリの木がヴィヒタとして使われていたり、それぞれの地域で、ヴィヒタに向いている樹種があるようです。

樹種によって変わる、ヴィヒタの質

ヤマザクラ
こちらはヤマザクラ。紅葉した葉も。

この夏、我が家ではシラカバやミズナラの他、ダンコウバイやヤマザクラ、リョウブなどでも、ヴィヒタを作ってみました。

樹種によって香りや感触に違いがあって、なかなか面白いです。

変わっていく植物との関わり方

フジバカマは乾燥させると良い香りがします
こちらはフジバカマ。乾燥させると良い香りがします。

昨年はフジバカマの香りについて、記事にしましたが、こうした植物の楽しみ方というのも、海外からの影響も受けながら、時代と共に変わって行くのでしょうね。

サウナ&ヴィヒタの風習、我々にとっては、植物との新たな関わり方でもあります。

ヴィヒタの旅、植物の旅

クロモジの葉
こちらはクロモジの葉。とても良い香りがする樹木で、ヴィヒタにも向いています。

まだまだ知られていない、ヴィヒタにピッタリな樹種とか、あるんでしょうね。

意外に、あなたの家の庭の木も、ヴィヒタに使えるかもしれません。

もし「この木が使える」というような発見があれば、ぜひ教えてください。

その香りや肌ざわりを試すのもまた植物の旅の形の一つ、とも感じます。

そろそろ、(街中では)キンモクセイが香っているかな?などと想像する、信州の山の秋です。

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4件のコメント

ヴイヒタ作りの記事も大変楽しく拝読いたしました✨北欧ではサウナで木の枝で叩く文化がある事は以前より知っていましたが‥
しょうじさんの周りには白樺やナラの木があって試してみる事ができるって楽しいですね!私も今サウナにハマってるのですが流石に近所のスーパー銭湯的なとこにもヴイヒタはないですもんね笑
カラダを叩かないまでも香る葉の木を陰干ししてお風呂におくだけでもアロマの効果が得られるかも知れませんね!
大変ご無沙汰してしまいましたが
やはりしょうじさんのサンブーカはとても面白く
今コロナで自主休養となって突然できた時間を布団の中で有意義に過ごす事ができました

こちらにもコメント、ありがとうございます!

そうですか!サウナにハマっておられますか(^。^)

サウナブームのおかげで、ヴィヒタという、
思いもよらない植物の使い方を知って、僕も驚きました!

おっしゃる通り、お風呂においておくだけでもアロマ効果があって、良いかもしれないですね!
療養中(?)なのに嬉しいコメント、ありがとうございます(^。^)

はじめまして。小椋と申します。

ヴィヒタ作りに興味があり、興味深く拝見させていただきました。

ちなみに、ヴィヒタの販売等は行っていますか?

もし可能でしたら、ヴィヒタの製作状況などを見させていただくことは可能でしょうか?

小椋様
コメントありがとうございます(^。^)
残念ながら、現在はヴィヒタの販売等を行っていません。
もし、今後販売や製作をするとしたら、
Instagramの方でも告知しますので、
下記アカウントを
チェックしてみてください。
https://www.instagram.com/shojiyoshi/
よろしくお願いいたします。

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ABOUT US
しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。