高原の木、白樺派、もしくは森永「白樺の小枝」。
一般的なシラカバのイメージはこんな感じでしょうか。
キャンプをする人であれば焚き付け材としてもお馴染みかも知れません。
また、樹液を採取できる木としても、知られています(シラカバの樹液採取についても別に記事にしています)。
まだ歴史が短い、ヒトとシラカバの関係性
シラカバは、今でこそメジャーな樹木ではありますが、人気の歴史はそれほど長くはありません。
白樺派の雑誌『白樺』は1910年創刊で、当時はちょっと特別なイメージを持っていたようだし、万葉集や俳句に登場していない事から、現在のような状況は100年も経っていないと言えます。
種としての歴史からすると、ほんの一瞬スポットライトを浴びているようなものでしょう。
シラカバの一生は「太く短く」(シラカバという植物)
樹木としてのシラカバは、日当たりの良い開けた土地にいち早く芽を出し、すぐに成長します(こうした樹木を先駆樹種と呼びます)。
周りに木が生えていない環境で群生しますが、寿命は短く100年ももちません。
実際に見かける大きなシラカバも、せいぜい30年くらいが多いと感じます。
幹が折れてしまっているものもよく見かけます。
また、日陰では育ちにくい樹種(陽樹)なので、シラカバ林の中ではシラカバは育ちにくく、やがて他の樹種にとって代わり、いろいろな種類の樹木がある森へと変わっていきます。
実用性ではなく観賞用として
森ができていく上でのシラカバの役割が「先駆者」だとして、ヒトによって選ばれたのは特徴的な白い樹皮、観賞用としてでしょう。
他に類がなく、すぐにそれとわかる姿は「高原に来たのだな~」と実感させてくれます。
信州や北海道では雰囲気作りの為にシラカバが植えられていたりします。
森永の「白樺の小枝」の他にもたくさんのお菓子を見かけるし、白い樹皮というのはヒトにとって特別なものなのでしょう。
よく似た木としてはダケカンバとウダイカンバ
この見た目から、見分けがつきやすい木ではありますが、間違えるとしたらダケカンバ、もしくはウダイカンバでしょうか。
ダケカンバはシラカバよりも少し黄色に近い、色が濃いのが特徴です。
標高が高くなるにつれ、シラカバよりもダケカンバが多くなっていきます。
黄金色のような樹皮のダケカンバもあり、特に雪の中だと引き立ちます。
ウダイカンバは、カバノキ科の中で最も大きくなる樹種で、葉も大きいです。
詳細はまた別の記事にしようと思います。
僻地でも文化の中心になり得る時代
いずれにせよ、シラカバもダケカンバも寒冷地の樹木であり、高原の木、リゾートの木というイメージは当分変わらないでしょう。
文化の発信地が上方や江戸だけだった頃は身近にはなりにくかったシラカバですが、インターネットによって状況は随分変わりました。
ヒトによって大事に育てられ、さまざまな文学や歌や、芸術作品に登場していくのかも知れません。
植物名 | シラカンバ |
漢字名 | 白樺 |
別名 | シラカバ |
学名 | Betula platyphylla var. japonica |
英名 | White birch |
科名・属名 | カバノキ科カバノキ属 |
原産地 | 日本 |
花期 | 4月 |
しょじよしさんのブログの始まりは、こちらからでしょうか?最初からゆっくり読ませていただきます白樺と言ったら、高原、避暑地、お洒落な木…というイメージが子どもの頃からあります。都内ではめったに見かけなくても公園やどなたかの玄関先でたまに見かけることも。そんなときは”白樺の木だな~” となんとなく足を止めて見入っていました。その白樺が短命とは知らなかったです。そう言われてみれば、太い木は見たことなかったなとそんなことを知ると太く大きな立派な木が大好きですが、この細くて白い姿の白樺が、益々魅力的で清楚な美しい木と感じます。
>さきこさん
こちらにもコメントありがとうございます!
シラカバは、寒い方が白くなる傾向があって、
信州でも、松本市の中心部に行くと、植栽でシラカバを見かけますが、あまり白くないです。
なので、高原の真っ白なシラカバは自分にとっては、本来の姿のように思います。
さきこさんにも、ぜひ信州の高原のシラカバを見てもらいたいですd(^_^o)
寒いと白くなるとは!!東京の白樺はどんなか気になりした。今度探して見てみます。まずは近所にある白樺から確認!信州の白樺見てみたいです!でも小、中学校のとき、小諸に行ってるので、そのとき見ているんです。遠い昔過ぎてうっすらした記憶と確か写真があるな…と(笑)
>さきこさん
ぜひ東京のシラカバ、見てみてください。
そして信州でも見てみてください。
きっと信州の、標高の高い所の方が白く見えるはずですd(^_^o)