樹木の名前を調べる時、花や実、紅葉とか、特徴的なイベントが多いと見分けやすいですが、常緑樹の場合、そういう意味では難易度が上がります。
針葉樹は種類がまだ少ないですが、常緑広葉樹となると(落葉広葉樹よりは種類が少ないとは言え)、かなりの数になります。
まー、勉強するしかないわけですが(笑)、効率よく勉強できる場所として、都内であれば広尾は良いスポットなのではないか? という、今回はそんな内容の記事になります。
タブノキはクスノキと同じクスノキ科
先日、クスノキについての記事を作りましたが、
東京の中心部に立派なツリーハウスがあるという話題性と、その樹種がタブノキである事、そして付近にも植物観察にピッタリな、個人的にもオススメしたいスポットがある(後述します)、今回はそんなコースを歩いて巡ります。
広尾駅周辺を歩いて、タブノキをはじめとした常緑広葉樹を巡ります!
広尾駅の出口を出て、広尾橋交差点から三菱UFJ銀行の角を東に進みます。
途中、左に折れて路地を入っていくとタブノキのツリーハウスに到着しますが(駅から徒歩1分)、そのまま真っ直ぐ行くとセガフレードがあり、その向かいにはクスノキの巨木が見えています。
※セガフレードについては『サンブーカを飲めるお店【セガフレード】』もご覧ください。
タブノキのツリーハウス(フルール・ユニヴェセール)に到着!
到着して、改めて眺めると、やはりスゴイです。
この日は12時くらいに到着、「レ・グラン・ザルブル」にランチを頂きにやってきましたが、既に満席。。。
空きが出次第、携帯電話に連絡をいただける、との事で、お店の人に電話番号を伝えて、しばし撮影タイムです。
タブノキの樹皮は古来、タブ粉として線香の材料にも使われていました。クスノキ科には他にも月桂樹やシナモン、ダンコウバイなど、芳香を持つ木が多いです。
「レ・グラン・ザルブル」の屋上テラスでタブノキを眺めながらランチタイム
10分くらいして携帯電話が鳴り、無事に入店。
希望通り、屋上のガーデンテラスに着席です。
僕はフォカッチャサンド・ミラネーゼ、妻はチキンサンドを注文。
イタリア好きとしてはフォカッチャがメニューにあるのは嬉しいですね。
どのメニューも美味しそうで、妻は迷いに迷っておりました(笑)。
タブノキは、クスノキの記事でも書いた「照葉樹」の一つで、こんなに大きな木を見ていると南国にいるかのような気がしてくるから不思議です。
昔は材木にしたり、線香にしたり、いろいろと使われていたそうで、暖地の沿海地に多い木です。
クスノキよりも耐寒性が強いとされ、クスノキの葉は「三行脈」がハッキリしていて、葉だけ見ても同定しやすいですが、タブノキの葉は他にも似ている葉がたくさんありますね。
タブノキと似ているマテバシイの芽は、これほど大きくはありません。
ランチの後、1階の花屋さん、フルール・ユニヴェセールで季節のお花を眺めてから(3月初旬のこの日はミモザが印象的でした)、次のスポットへ。
ホントに美味しいランチと、お花屋さんでの楽しい会話をありがとうございました!
有栖川宮記念公園へ移動、その他の常緑広葉樹を観察します
冒頭の、常緑広葉樹の見分け方、という話しですが、タブノキと似ている樹種としてはマテバシイ、アカガシ等があります。
それらを勉強するスポットして有栖川宮記念公園にやってきました。
フルール・ユニヴェセール&レ・グラン・ザルブルから徒歩2分くらいです(広尾駅からでも徒歩3分くらい)。
こちらの公園、丘や渓谷、滝、池があったり、とても変化に富んでいます。
江戸時代は盛岡南部藩の屋敷だったという歴史からか、樹種も多彩で、大木が多いです。
しかも、樹名板が丁寧に付けられていて、樹木の名前を覚えるのにもピッタリなスポットなのです。
アカガシも常緑広葉樹ですが、ブナ科でドングリがなる木です。
クスノキやタブノキはクスノキ科で、果実はドングリではありません。
マテバシイもブナ科、ドングリができる木です。
上のタブノキの実の写真は、一昨年の6月下旬、別の場所で過去に撮影したものですが、参考までに貼り付けておきます。
サンゴのように赤くなった果柄(枝)も印象的です。
実は夏に黒く熟します。
スタジイも、照葉樹林を代表する常緑広葉樹、照葉樹の一つです。
落葉している季節だと、常緑樹が目につきやすく、それぞれ、観察しながら散歩です。
街路樹のクスノキを眺めつつ、帰路につきます
有栖川宮記念公園での観察を終えて、広尾駅に向かう途中、セガフレードの向かいのクスノキを眺めつつ、カッフェ・タイムです。
セガフレード広尾店にてカッフェ・タイム
最後にセガフレード広尾店に立ち寄ります。
タブノキのツリーハウスがきっかけで訪問した広尾という街。
大木が点在しているところを見ると、歴史がある街なんだな~としみじみ。
そして、コーヒーを飲みながら外を眺めていると、マセラッティが3台通過、他にも超高級車が頻繁に通ります(むしろ高級車しか通らないくらい。。。)。
いろんな意味で、信州の山奥とは別世界です。
タブノキ、クスノキ、スダジイ、アカガシなどなど、たくさんの樹木からのパワーと、広尾の都会的な刺激を頂いて、帰路につきます。
信州に戻るとまだ雪景色
東京から信州に戻ると、真っ白な風景です。
常緑広葉樹には厳しい環境です。
しかし、僕たちは、他の植生を見に行って、戻ってきてこそ理解できる身近な植生があったり、街の自然もまた、森に通じています。
そんな話しをしていると、妻が「あっ!トンカツ食べ忘れた!」と叫びます。
山奥から街の常緑広葉樹を想いつつ、もうしばらく越冬生活が続きます。
植物名 | タブノキ |
漢字名 | 椨の木 |
別名 | イヌグス(犬樟) |
学名 | Machilus tunbergii |
英名 | なし |
科名・属名 | くすのき科タブノキ属 |
原産地 | 本州以南、朝鮮半島、中国など |
花期 | 4~5月 |
下記、Fleur Universelle(フルール・ユニヴェセール)のサイトへのリンクです。
https://fleur-universelle.com/
そして以下は記事作成にあたり、参考にした本です。
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