カエデの葉、モミジの葉

桶に入れたイロハモミジ
桶に入れたイロハモミジ。

以前の記事『世界のカエデ、日本のモミジ(イロハモミジのプロペラ)』の補足的に、カエデの葉の写真を並べながら、カエデとモミジについて書いてみようと思います。

多様なカエデの葉、手のひら形のモミジの葉

イロハモミジとイタヤカエデの葉
イロハモミジ(左)とイタヤカエデの葉。

カエデの葉はいろいろな種類の形があるのに対して、モミジは手のひら形だけです(園芸種を除く)。

イタヤカエデの葉

イタヤカエデ
イタヤカエデ。

イタヤカエデの葉は切れ込みが浅く、面積が広いです。

秋には黄色く黄葉します。

縁にはギザギザ(鋸歯)はなく、滑らかです(全縁)。

大木になるので山間部で目立つ個体も多いです。

ウリハダカエデの葉

ウリハダカエデの黄葉
ウリハダカエデ。

ウリハダカエデは5角形に近く、切れ込みは浅いです。

縁には細かい鋸歯(ギザギザ)があります。

あまり大木にはならないものの、林縁に多くて目立ちます。

ミネカエデの葉

コミネカエデ
ミネカエデ。

ミネカエデの葉は先端が長く、荒い鋸歯があります。

カエデの仲間としては最も標高の高いところに生える樹木の一つです。

ハウチワカエデの葉

コハウチワカエデ
ハウチワカエデ。

ハウチワカエデの葉は切れ込みは浅く、「羽団扇楓」の名前の由来の通り、天狗の羽の団扇のような形です。

葉の大きさとしては、日本のカエデの仲間の中では最も大きいサイズです。

イロハモミジの葉

イロハモミジ
イロハモミジ。

イロハモミジの葉は切れ込みが5つ以上入り、切れ込みが深く入ります。

葉のサイズが小さいのも特徴です。

モミジと名が付くのは、こちらのイロハモミジかオオモミジ(ヤマモミジも含む)、2系統だけです。

モミジの園芸種

アオシダレ(青枝垂)
アオシダレ。

“モミジは手のひら形だけ(園芸種を除く)”の例を一つ。

上の写真はアオシダレ(青枝垂)という、ヤマモミジ系の園芸種です。

シダレモミジ、と呼ばれる事もあります。

春から紅葉するベニシダレ(紅枝垂)という品種もあります。

このように、園芸種の場合はモミジの仲間とはいえ、手のひら形ではないものもあります。

カエデの種類、モミジの種類

イタヤカエデとサトウカエデ
左はイタヤカエデ、右は北米原産のサトウカエデ。

世界には、カエデの仲間は150~200種あるとされます。

植物学ではモミジもその中に含まれ、イロハモミジやヤマモミジもムクロジ科(以前はカエデ科)の樹木の一つです。

しかし、日本の園芸の世界ではカエデとモミジを区別します。

日本に自生するカエデは約30種、そのうちモミジと名が付くのは前述の通り2系統だけなので、そこから200種以上のモミジの園芸種が作られたというのは、やはりモミジは日本ならではなんですよね。

日本のモミジ

桶に入れたイロハモミジ
桶に入れたイロハモミジ。

今回、採取してきたイロハモミジの葉を桶に入れてみたら、雰囲気が良いなあと思いました。

これが、いわゆるモミジの良さなのでしょう。

秋の紅葉はもちろん、緑の葉も、そしてこのサイズ(小さい)も良いんですよね。

イロハモミジの翼果
イロハモミジの翼果(プロペラ)。

植物学としては区別しなくても、やはりカエデとモミジは違うなあと思うのはやはり日本人です。

ちなみに、イロハモミジは翼果(プロペラ)も他のカエデよりも小さく、そして水平に開くのが特徴です。

翼果にも風情があるように感じてしまいます(笑)。

イロハモミジのプロペラ
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2件のコメント

こんばんは、初めてコメントさせていただきます。

モミジとカエデの違いがなかなか覚えられずにいました。

しょうじさんの今回の記事を何度も読み返して、勉強したいと考えています。

このブログの美しい写真集のようでいてキチンと勉強にもなる記事のファンです。

これからも楽しみにしています。

minitani様
嬉しいお言葉、ありがとうございます!
僕も勉強中でして、植物の事を少しでもわかりやすく、面白く記事にできればと思っています(^。^)
今後ともよろしくお願いします!

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ABOUT US
しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。