ヤドリギについては、このブログ(sambuca)で、ちょくちょく書いていますが、今回はヤドリギを育てる試みについて。
ヤドリギとは
ヤドリギとは漢字で「宿り木」、まさに宿る木、他の樹に寄生する(正確には半寄生)植物です。
ビャクダン科(ヤドリギ属)の樹木で、「ビャクダン?香るの?」と時々聞かれますが、ヤドリギは全く香りません。
小さな花を咲かせますが、花も香りません。
ヤドリギを育てるということ
そんなヤドリギ、宿っているのを見かけるものの、種から育ててみたらどうなるだろう?ということで、試しています。
ヤドリギを育てることの難しさ
実際にやってみると、ヤドリギを育てるというのはかなり難しいです。
いろんな試練(?)があるので、まるまると大きく育ったヤドリギを見ると、
「奇跡!」
と感じてしまう程です。
ちなみに、ヤドリギは(基本的に)広葉樹に宿り、日当たりの良い条件を好みます。
なので、種子をくっつける時から、選ぶ必要があります。
折れたシラカバと共に飾ってみた、赤ちゃんヤドリギ
今回、発芽したものの、親木(シラカバ)が折れてしまったので、枝ごと飾ってみました。
カットした親木の切り口にはカラマツの樹皮を挟んで固定し、スッと立つように加工。
盆栽のようでもあり、洋風にも見える、不思議なヤドリギの魅力はしっかりと感じられ、折れてしまったとはいえ、1週間ほどの最後の期間を楽しませてもらいました。
ヤドリギも旅が好き?
茨城のり子さんの「木は旅が好き」という詩があります。
少し、紹介します。
木は
「木は旅が好き」(『倚りかからず』)茨城のり子
いつも
憶っている
旅立つ日のことを
ひとつところに根をおろし
身動きならず立ちながら
ヤドリギの場合、根を(親木に)おろし、その親木が大きくなるにつれ、上に横に、生きる場所が動き(?)ます。
やはり、ヤドリギの旅は、少し変わっているのですよね。
寄生した木が大きくなった時、
「高くなったなぁ」と
僕たちを見下ろすのか。
ヤドリギの種子を樹木に付着させる時、実を食べながら(ライチのような味です)、そんなことを想像します。
幹に手をあてれば
「木は旅が好き」(『倚りかからず』)茨城のり子
痛いほどにわかる
木がいかに旅好きか
ヤドリギとヒトの旅
大きなまん丸の、立派なヤドリギをたくさん育てられる頃、自分はおじいちゃん?
そんな時「ヤドリギ差し上げます」で旅立つヤドリギを運ぶのは変わらずクロネコか、はたまたドローンか。
ヒトを媒介として旅をする、ヤドリギ育成記、のんびり続きます。
植物名 | ヤドリギ |
漢字名 | 宿生木 |
別名 | ホヤ、ホヨ、トビヅタ |
学名 | Viscum album var. coloratum |
英名 | Japanese mistletoe |
科名・属名 | ビャクダン科ヤドリギ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国など |
花期 | 2~4月 |
・種子から発芽する確率が低い(木に付着させてもポロっと落ちることが多い)
・雪で(親木の)枝が折れたりする