ノリウツギ、夏の白い花と山暮らし

夏に咲く、ノリウツギの白い花

信州の夏の山で目立つ花木といえば、ノリウツギです。今回の記事は、林縁に咲く夏の白い花・ノリウツギと山暮らしについて。

意外と忙しい山の生活

夏のノリウツギ

夏、信州の山中で最も目立つ花木がノリウツギです。

山暮らしというのは、のんびりしているようで、実際には忙しいです。草刈りや来シーズンの薪割り、家の補修やら、なんだかんだとやる事があります。

そうすると「あの花の写真は今年も撮れなかったな(残念)。また来年」というような事がよくあります。むしろ、そうやって日々の雑事に追われて撮影できていない植物の方が多いです、圧倒的に。

いつでも咲いている(!?)ノリウツギ

夏のノリウツギ

ノリウツギは林縁の目立つ場所に咲き、花期も長いので(特に装飾花)、春の花のように急いで撮らなくても大丈夫です。

そんな中、林縁に咲くノリウツギは、日々の忙しさと並走してくれているような「焦らなくても、いつでも待っているよ」と言ってくれているような、そんな気もするのです。

林縁とは、森林が草地や裸地に接する部分の事を言い、道路脇も林縁部分になっている事が多いです。それはつまり、自動車でも自転車でも徒歩でも、通過すると(花が咲いていると)目につきます。

ノリウツギの花

枝先に円錐花序をだして、小さな5弁の両性花を咲かせます。

信州の林縁の花木として多いは、春だとオオカメノキ(以前に『オオカメノキ、初夏の白い花と冬のバンザイ』という記事を作っています)。夏はノリウツギ、リョウブなどでしょうか。

オオカメノキ(ムシカリ)の花

オオカメノキ、初夏の白い花と冬のバンザイ

2019年6月19日
春、暖かくなってオオカメノキの花期が来て、真夏はノリウツギ。周りの緑色が深くなり、強い日差しに照らされて、白い花が際立ちます。

中心部の両性花と周りの装飾花

中心部には小さな両性花、周りは装飾花です。ちなみに、庭木としても人気のノリウツギ。ミナヅキという、花が全部装飾花のものもあります。

花のように見えるのは装飾花で(アジサイのように)、本当の花は中心部にある小さなもので、円錐形の花序を作ります。花期は7~8月ですが、花期が終わっても装飾花はずっと残っています。花が枯れても、花が咲いているように見えるのです。

秋も冬も残っている装飾花

秋のノリウツギ

秋のノリウツギ。周りの樹々が落葉する中、残った装飾花は目立ちます。

冬が来て、木々が落葉した中、ノリウツギは目立ちます。春の雪解けの頃には色が抜けて真っ白になって、また別の花のようにも見えたり。

色が抜けたノリウツギの装飾花

かなり色が抜けた装飾花。

装飾花がない(目立たない)期間は春から初夏にかけてのほんの少しだけで、その季節というのは周りに花が多いので、“他に任せた”という感じでしょうか。

そして夏が来て、ノリウツギの白い花が咲くころ、あっという間に過ぎた春(たくさんの花の写真を撮り逃した春)を振り返るのです。

忙しい山暮らしに寄り添う花

草刈りや薪割りに勤しむ傍ら、ノリウツギの装飾花はずっとそのままでいてくれていて、秋になり、冬が来てもシャッターチャンスはあります。

雪を被ったノリウツギ

雪を被ったノリウツギ。冬の間も装飾花はずっと残ります。

ゴミを出しに行ったり、道路の掃除をしたりして、ふと林縁に目をやると、そこにはノリウツギがいます。

ヒトも植物も、自分が快適だと思う環境を求めて、生きています。ノリウツギが選んでいる林縁には、そこならではの光や、湿度などの条件がありますが、ヒトもそれぞれに適した環境があるのでしょう。

春のノリウツギ(芽吹き)

ノリウツギの芽吹き。冬を越した装飾花と選手交代です。

暑いと感じたら涼しいところへ行きたいし、寒いと感じたら暖かいところへ。今年の夏も暑いけど、きっと来年も暑い。止まることなく季節は進み、時は流れる。

音が溢れる夏から静寂の冬へ

夏のノリウツギ

葉が茂る夏、林縁を飾るように咲くノリウツギの白い花。

来シーズンの薪、足りるかな?と試案しながら作業していると、妻が虫に驚いて「ギャーッ」と叫んでいます。夏のこの時期、虫たちにとっては短い活動期間でもあります。

ノリウツギに雪が積もる頃、他の木々の多くは花も葉も落として春に備えています。僕は雪かきや道路の氷割りの作業の合間に、冬芽や装飾花の写真を撮ります。急ぐ必要はありません、一瞬で過ぎる春や夏と違って、冬はとても長いのです。

雪を被ったノリウツギ

冬の晴天の日、雪に光が反射して、林内が最も明るくなります。

植物名 ノリウツギ
漢字名 糊空木
別名 ノリノキ、サビタ
学名 Hydrangea paniculata
英名 Panicled hydrangea
科名・属名 アジサイ科アジサイ属
原産地 日本、樺太、中国など
花期 7~8月
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ABOUTこの記事をかいた人

神戸出身、2016年から信州在住。植物のある生活、自然の中での生活について、このサイト(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。2019年~イタリア・トリノの自転車ブランド・3Tアンバサダー。