徳本峠超えで上高地へ

徳本峠から眺める穂高連峰
徳本峠から眺める穂高連峰。

上高地に行くルートとして一般的なのは、新島々駅からバスに乗るか、マイカーの場合は沢渡(さわんど)まで行ってバスかタクシーを利用するという行き方です。

しかし、そうした現在の道路ができる昭和初期までは、徳本峠を歩いて越えるルートが使われていました。

芥川龍之介や、(嘉門次小屋の)嘉門次や、(ウェストン祭)のウォルター・ウェストンといった歴史を感じられるクラシック・ルート、徳本峠越え。

先日行ってきたので、植物の写真と共に紹介します。

クラシックルート「徳本峠越え」で上高地へ

徳本峠歩道案内図
島々宿登山口にある徳本峠歩道案内図。
今回の植物ハイキングのポイント

●季節は夏の終わり
●9月中旬~下旬の植物散策
●徳本峠越えで上高地を目指します

所要時間(コースタイム)について
今回はハイキングではなく、トレイルランニングに近いペースで行ってきたので、あえて所要時間については記載していません。「徳本峠越え」は登山ガイド等では1泊2日のコースとして紹介されています。ご注意ください。

登山口(島々谷)へのアクセス

島々宿登山口のゲート
島々宿登山口のゲート。マイカーの場合、この先にある駐車スペースに駐車します。

徳本峠の登山口へは、新島々駅から歩く(4kmくらい)か、バスに乗るか(上高地行きのバスに乗って5分くらい)、もしくはマイカーでアクセスして、登山口の駐車スペースに駐車します。

島々谷の登山口からしばらくは林道

島々谷川沿いの林道
スタートして6kmくらい、こうした林道を進みます。

登山口のゲートを通過してしばらくは島々谷川沿いの林道を行きます。

道沿いにはミゾソバが群生して咲いていました。

ミゾソバ

ミゾソバ
ミゾソバ。タデ科の1年草で、水辺に群生する事が多い植物です。

ミズヒキ

ミズヒキ
ミズヒキ。こちらもタデ科の植物です。タデ科の花は小さいのが多くてピントを合わせにくいです(笑)。

ミズヒキも多かったです。

6kmくらい進むと、二俣という場所に。

公衆便所があります(和式です)。

これ以降、いよいよ登山道です。

二俣からは本格的な登山道

徳本峠へ向かう登山道
現在は木道が整備されていますが、昔はかなり厳しい道のりだったのだろうと想像します。

沢にかけられた木の橋を渡ったりしながら約5km進むと、岩魚留小屋に到着します。

ここから先は傾斜がきつくなります。

沢沿いの道から離れていく事で陽射しが強くなり、植生も変わってきます。

岩魚留小屋からは傾斜が急に

ヤマトリカブト

ヤマトリカブト
ヤマトリカブト。明るい斜面で最も目についたのがこちら。トリカブトと言うと毒性の強さで有名ですね。

ここで、少し『河童』から引用します。

三年前の夏のことです。僕は人並みにリユツク・サツクを背負ひ、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登らうとしました。穂高山へ登るには御承知の通り梓川を遡る外はありません。僕は前に穂高山は勿論、槍ヶ岳にも登つてゐましたから、朝霧の下りた梓川の谷を案内者もつれずに登つて行きました。

『河童』(芥川龍之介)
created by Rinker
¥440 (2024/11/21 19:18:03時点 楽天市場調べ-詳細)

徳本峠からの絶景

徳本峠から眺める穂高連峰
徳本峠に到着すると、穂高連峰が目の前に!

つづら折りの急斜面を登りきると、徳本峠小屋に到着です!

連休のこの日はけっこう賑わっていて、テントを張っている人もかなり多かったです。

テント場

徳本峠小屋から眺める穂高連峰
徳本峠小屋ではこの日、テントが10張以上。テントから眺める風景も素晴らしいでしょうね。

しばし景色を眺めたら、上高地へ下山です。

徳本峠小屋のダケカンバ

徳本峠小屋の横のダケカンバ
徳本峠小屋の横のダケカンバ。風が強いのか、かなり曲がっていました。
徳本峠小屋から明神までは3.8km
徳本峠小屋から明神までは3.8kmです。

徳本峠から明神池までの下り、樹々の合間から穂高連峰を横目に、ぐんぐん下ります。

上高地に到着

上高地に到着して見上げる明神岳
上高地に到着して見上げる明神岳。
上高地から徳本峠への分岐
上高地から徳本峠への分岐。来た道を振り返ってパシャリ。

上高地(明神)に到着すると、かなり季節が進んでいる印象です。

ノコンギクが目立ち、サラシナショウマの花期が終盤です。

サラシナショウマ

サラシナショウマ
サラシナショウマ。白い穂状の花が群生していて、目立ちます。

ノコンギク

ノコンギク
ノコンギク。信州の秋を代表する花です。

河童橋からの景色を堪能して帰路

河童橋から眺める穂高連峰
河童橋に到着です。バスに乗って帰路につきます。

河童橋から見上げる山々。

登った経験が増える度に、この風景への思い入れは強くなります。

芥川龍之介も同じ花を見ただろうか、なんて想像する今回の山行もまたその一つです。

またここに戻ってきたいですね。

広告
広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
しょうじ(Shoji)
神戸出身、2016年に信州の山奥に移住。植物のある生活、自然の中での生活について、このブログ(サンブーカ)で記事を作っています。食や自転車、インテリアなど“イタリア的な山暮らし”の楽しさもテーマにしています。