サンブーコの花とは、西洋ニワトコの花の事で、英語ではエルダーフラワーです。
ややこしいのは、サンブーコは植物の名前で、サンブーカはお酒(リキュール)の名前、という事です。
今回、サンブーコのシードルを買って飲んでみたので、サンブーコとサンブーカについて、記事にします。
※サンブーカについては『サンブーカ(イタリアのリキュール)まとめ』をご覧ください。
サンブーコの花は「エルダーフラワー」、サンブーカはリキュール

サンブーコ(sambuco)はイタリア語で、西洋ニワトコの事です。
英語ではElderberryやEuropean elderで、その花はElderflower(エルダーフラワー)です。
ヨーロッパでは、エルダーフラワーは初夏の風物詩として、シロップ(コーディアル)の原料にされたりします。
※ニワトコの花についての記事も作っています。
対して、サンブーカ(sambuca)はイタリアのリキュールの名前です。
サンブーカの原料に「サンブーコの花」は必須ではない

サンブーカの原料にサンブーコの花(エルダーフラワー)が使われる事もありますが、そうではない(使われていない)銘柄もあります。
例えば最もメジャーなサンブーカ銘柄「モリナリ サンブーカ・エクストラ」にはサンブーコの花は使われていないようです。
サンブーカの銘柄にはたくさんの種類がありますが、共通する材料としてはアニスシードか八角(成分としてのアネトール)で、それに様々なハーブを加えて作られます。
サンブーカというリキュールの語源については諸説あり、サンブーコの花(エルダーフラワー)が入っている、という説もあれば、アラビア語の「花の香り」が語源、というものもあります。
また調べて、いずれ記事にしようと思います。
サンブーコの花のシードル

今回、サンブーコの花のシードルという、ちょっと珍しいシードルを買って飲んでみました。
Floribunda(フロリバンダ)というメーカー(醸造所)のもので、数種類のシードルを作っているようです。
Floribunda公式サイトによると、Floribundaという名前の由来は、“日本の野生のリンゴ「Malus floribunda(カイドウズミ)」から取っている”そうです。
イタリアのメーカーなのですが、ラベルにはドイツ語の表記もあって(sambucoに加えて)「Holunder」とも書いてあります。
そう、イタリア語のsambuco(サンブーコ)は、ドイツ語ではHolunder(ホルンダー)なんですね。
その味は?

味の方はと言うと、思ったよりもサンブーコの花の香りは強くないですが、一般的なシードルよりも、よりワインに近いような、香りの広がりを感じます。
本来、マスカットのような香りがするサンブーコの花(エルダーフラワー)ですが、このシードルでは、風味付けとして上手にサンブーコの花を使っているんですね。
とても贅沢で、豊かな気持ちになれるような、そんなシードルです。
サンブーコの学名はSambucus nigra
サンブーコの実のマグカップ

サンブーコとサンブーカについて、書いてきましたが、最後にもう一つ。
ある日、我が家のご近所さんから連絡が来て「愛用のマグカップ(上の写真)に“Sambucus nigra”と書いてあるよ!」と。
サンブーコ(西洋ニワトコ)の学名はSambucus nigra(サンブクス・ニグラ)です。
チューリッヒで購入されたマグカップだそうで、こうして写真を撮らせていただきました。
サンブーコ(エルダー)はヨーロッパの味

マグカップに描かれる程に、サンブーコ(エルダー)は花も実も、ヨーロッパでメジャーな存在なんですよね。
サンブーコの花のシードルを飲んだこの日、ヨーロッパを旅したような時間を過ごせたのでした。
以上、
「サンブーカの花」じゃなくて「サンブーコの花」ですよ!
の記事でした。
植物名 | セイヨウニワトコ |
漢字名 | 西洋接骨木 |
別名 | パイプツリー※日本のニワトコの別名はタズ、タズノキ |
学名 | Sambucus nigra |
英名 | Elder |
科名・属名 | レンプクソウ科ニワトコ属 ※旧分類ではスイカズラ科 |
原産地 | ヨーロッパ、北アフリカ |
花期 | 5~6月 |
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