シダレザクラは長寿です。
樹齢数百年、というような名木が各地にあります。
樹種として長生きするという特徴はもちろん、大きく広がる枝ぶりに合った環境や、守ろうとするヒトとの関係性も、大切な要素になってきます。
松本・安養寺(あんようじ)で立派なシダレザクラを見てきたので、今回はそんなことを。
シダレザクラとは
シダレザクラとは、「枝垂れ桜」と書く通り、枝垂れる(垂れ下がる)サクラです。
糸桜(いとざくら)という別名もあり、なるほど遠くから見ると糸のように流れるような姿姿です。
葉がでる前に直径2~3㎝の淡紅白色の花が咲き、満開時には白くなります。
シダレザクラの花言葉
シダレザクラの花言葉は、「優美」「円熟した美人」の他、「ごまかし」、というのもあるようです。
シダレザクラは長寿
シダレザクラはエドヒガン(江戸彼岸)の園芸種とされ、「枝垂れる」以外に、寿命が長いという特徴があります(エドヒガンも長寿)。
寿命が長く、大木になるので、名木と呼ばれるシダレザクラがたくさんあります。
ちなみに、同じ桜の仲間でもソメイヨシノは短命で、50~60年と言われます。
長野県の名所の一つ、安養寺のシダレザクラ
松本市、波田(はた)地区の安養寺(あんようじ)のシダレザクラも、名木(名所)の一つです。
安養寺は国道158号線沿いにあり、松本電鉄上高地線の三溝(さみぞ)駅から徒歩3分、アクセスが良いお寺です。
>安養寺・公式サイト(桜の開花状況なども掲載されています)
安養寺の駐車場
ちなみに桜の時季、安養寺の駐車場は通常時よりもスペースを拡大していて、20~30台くらいは駐車できそうです。
警備員の人が立っているほど、賑わっています。
境内はサクラの花でいっぱい
安養寺の境内には30本くらいのシダレザクラ、ヒガンザク(彼岸桜)があり、本堂前の2本は、樹齢350年以上と言われ、松本市の天然記念物に指定されています。
樹齢350年以上のシダレザクラ
樹齢350年以上、というシダレザクラの周りは柵で囲われ、幹までは近づけませんが、その太さにはやはり迫力があります。
見上げると、白い花の連なりがズーっと続いています。
風は花を揺らして、春の鳥の声を運んできます。
境内で撮影タイム
目の前に花のカーテンがあると、撮影もバリエーションを出しやすいです。
何枚か、写真を載せておきます。
2023年のお花見
今年(2023年)は、ちょっと久しぶりにお花見が盛り上がったでしょうか。
振り返れば、毎年のお花見は、場所や顔ぶれも変わってきました。
誰と過ごしたか、どんな話しをしたか。
同じお花見というのはなく、それぞれのサクラが一度限りのものであることは、コロナ禍によって実感させられた気がします。
庭木と街路樹
サクラから話しが逸れるのですが、この1か月くらい、我々夫婦の話題の一つに、東京の神宮外苑地区の開発に関するものがありました。
お寺の境内のシダレザクラのように、伸び伸びと育った桜もあれば、窮屈そうに育ってしまった街路樹のソメイヨシノもあります。
神宮外苑と東京、街路樹の日本の発祥地
街路樹の文化がまだ浅い、日本の現状を象徴するような出来事の一つが、神宮外苑地区の開発だと感じたのです。
お寺や神社などの庭木に比べると、イチョウやプラタナスなど、街ならではの、東京らしいと感じる樹種は、また違った生き残り戦略を必要とするのでしょうか。
坂本龍一さんのmore trees活動は引き続き
坂本龍一さんの、東京都知事への手紙(下記)が話題になり、開発の見直しの声が大きくなったことは、いろんな意味で希望になりそうです。
>坂本龍一さんが神宮外苑再開発で紡いだ言葉を振り返る 手紙全文「一度失ったら二度と取り戻せない」
more treesの活動が続いていくことで、坂本龍一さんの意思は生き続けるのかもしれません。
シダレザクラと庭木と街路樹と
2023年のサクラは、我々夫婦にとっては、安養寺のシダレザクラであり、庭木としてのサクラの雄大さであり、そこから想う、神宮外苑の街路樹、坂本龍一さんでした。
今年のお花見はどうでしたか?
いろんな人に聞いてみたいです。
植物名 | シダレザクラ※エドヒガンの園芸種 |
漢字名 | 枝垂桜 |
別名 | 糸桜(いとざくら) |
学名 | Prunus itosakura Sieb. |
英名 | Weeping Japanese cherry |
科名・属名 | バラ科サクラ属 |
原産地 | 日本 |
花期 | 3~4月 |
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