先日、Apple銀座に行く用事があって(iPhoneのバッテリー交換)、銀座に出かけました。
普段は行かないエリアなのですが、ふと思い出したのが「銀座マロニエ通り」。
行ってみてわかったのは、銀座マロニエ通りの「マロニエ」は厳密にはベニバナトチノキが多い事、そして植えられている環境が狭いので、どの木も窮屈そうに見えました。
この記事では、トチノキとマロニエの簡単な紹介と、最後に街路樹について個人的に思う事を書いています。
トチノキとマロニエの違い
まず、トチノキとマロニエの違いについて、まとめておきます。
●トチノキは日本原産、マロニエはバルカン半島原産
●葉の大きさはトチノキの方が大きい
●花はマロニエの方が大きい
●マロニエのさく果(実)の果皮にはトゲがある(トチノキにはない)
●冬芽はトチノキは粘るがマロニエは粘らない
トチノキもマロニエも植物としては同じ「トチノキ属」なので、似ています。
葉は賞状複葉(手のように複数の葉がつく)で、トチノキは20~30㎝、マロニエは少し小さいです。
花はマロニエの方が大きく、白色に赤みがさします(トチノキは白)。
最もわかりやすい違いは実のトゲの有無
最もわかりやすい違いは実のトゲの有無です。
マロニエの実(さく果)の皮(果皮)にはトゲがありますが、トチノキの「栃の実」の皮にはトゲはありません。
銀座マロニエ通りに多いのはベニバナトチノキ
ちなみに、銀座マロニエ通りに多いベニバナトチノキは、アカバナトチノキ(アメリカ原産)とセイヨウトチノキ(西洋トチノキ)の交雑種です。
マロニエとは、セイヨウトチノキのフランス語名なので、「マロニエ通り」という名前は雰囲気的なものなのですね。
ヨーロッパのマロニエ
マロニエ(セイヨウトチノキトチノキ)の原産地はバルカン半島南部とされ、日本には明治時代に移入されました。
マロニエと言えば、パリのシャンゼリゼ通りや文学ではサルトルの『嘔吐』、『アンネの日記』。
アンネが隠れ家から眺めていた「マロニエの木」は特に有名です。
信州のトチノキ(トチノキの四季)
信州の山間部では、トチノキは普通に自生していて、のびのびと育っています。
大木も多く、春の新緑から初夏の白い花、秋の黄葉まで、四季を通して楽しませてくれます。
トチノキの大きな葉は、紅葉の時期も森の中で目立ちます。
冬は、大きくて目立つ冬芽。
カラマツの枯葉がくっついていたり、雪の中でも面白い被写体になってくれます。
落葉した樹形の観察も冬ならではです。
トチノキの大木・モチモチの木
巨木を見ると、絵本『モチモチの木』を思い出します。
昨年、Instagramのコメントで教えていただいて、読んでみたらスゴく良くて、お気に入りの絵本になりました。
作中のトチノキのシルエットとか自然の中の闇の怖さが主人公の豆太の優しさと勇気を引き立てていて、大好きなテーマです。
銀座マロニエ通りの樹々の環境について
ヨーロッパでは、街路樹としてプラタナスやセイヨウトチノキが、通りに木陰を作る役割を担っています。
のびのびと育った樹形は美しく、ヒトにとっても樹々にとってもストレスがない状態だと感じます。
それに対して、マロニエ通りの樹々は窮屈そうに見えます。
長く生きる樹々
「アンネの木」や豆太の「モチモチの木」も、僕にとっての信州のトチノキも、iPhoneやApple銀座よりもずっと長く残ります。
⾃分が何か役に⽴ちたいと考えたら、アンネの⾔葉を借りれば「わたしの望みは、死んでからもなお⽣き続けること!」と唱えて⾏動する事で、「アンネの⽊」も⾖太の「モチモチの⽊」も、ずっと残っていくのだろうし、それは僕たち⾃⾝の可能性でもあるんですよね。
街路樹について、考えさせられる銀座散策でした。
植物名 | トチノキ |
漢字名 | 栃ノ木 |
別名 | ウマグリ |
学名 | Aesculus turbinata |
英名 | Japanese horse chestnut |
科名・属名 | ムクロジ科トチノキ属※旧分類ではトチノキ科 |
原産地 | 日本 |
花期 | 5~6月 |
トチノキについて調べていてたどり着きました。トチノキとマロニエの違い、マロニエ通りの話、とても分かりやすかったです。「わたしの望みは、死んでからもなお⽣き続けること!」心します。
きっしー様
コメントありがとうございます!
そして、オムライスのサイト、拝見しました!
僕はオムライス好きなので、とても参考になります(^。^)