ラショウモンカズラ、名前の由来(鬼の腕)は花期終盤!?

ラショウモンカズラの花
ラショウモンカズラの花。

ラショウモンカズラ、漢字では羅生門蔓と書き、名前の由来は羅生門で退治された「鬼の腕」に例えているとされます。

なんだか、おどろおどろしいネーミングですが、先日見た花期の終盤、枯れかけの花が垂れ下がっている姿は、確かに鬼の腕に見えなくもないかな、と思いました。

ラショウモンカズラの名前の由来は「羅生門」の鬼女の腕

ラショウモンカズラの花
こちらは咲き始めのラショウモンカズラ。

日本に自生するシソ科の花としては最大級の花を咲かせるラショウモンカズラ。

名前の由来は、その大きな紫色の花を、羅生門で(平安時代に)武将・渡辺綱(わたなべのつな)が切り落とした鬼女の腕に見立てた、とされます。

『羅生門』の時代とイメージ

名前の由来は「羅生門の鬼の腕」
名前の由来は「羅生門の鬼の腕」とされます。

『羅生門』というと、やはり芥川龍之介ですが、そのイメージは地震や飢饉などで荒廃した都、というものだと思います。

少し引用します。

雨は、羅生門をつつんで、遠くから、ざあっと伝う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍(いらか)の先に、重たくうす暗い雲を支えている。

『羅生門』芥川龍之介

当時の羅生門は荒れ果て、キツネやタヌキ、盗人も住み、死体が棄てられている、そんな状況だったんですよね。

※ちなみにkindleだと『羅生門』は無料で読めます。

春の上高地の歩道脇にも群生しているラショウモンカズラ

湿った環境を好む、ラショウモンカズラ
湿った環境を好む、ラショウモンカズラ。

羅生門から遠く離れて(距離も時代も)、信州の山間部では、春から初夏の清々しい空気の中、ラショウモンカズラは花を咲かせます。

上高地でも、歩道脇の少し湿ったような場所に群生しているのを見つけられます。

※『上高地ハイキング【春~初夏の植物散策】』という記事を作っています。

上高地・河童橋から眺める穂高連峰

レモンのような香りの花

良い香りがする、ラショウモンカズラの花
良い香りがする、ラショウモンカズラの花。

また、そのネーミングからは想像しにくいですが、ラショウモンカズラの花はレモンのような爽やかな香りがします。

ラショウモンカズラに似た花(シソ科の花たち)

カキドオシの花
カキドオシの花。

その特徴から、ラショウモンカズラに似た花はあまりないですが、しいて言うならば、カキドオシ、ムシャリンドウ、タツナミソウ、などでしょうか。

花の形だけを見ると、オドリコソウにも似ています。

他、植栽の花としては、メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)などのシソ科の花も似ていますね。

しかし、どれもよく見れば似ていないと思います。

ムシャリンドウは絶滅危惧種で見かけないし、山間部でメドーセージのような花と見分ける事はないですしね。

「鬼の腕」は花期終盤?

花期終盤のラショウモンカズラ
こちらは花期終盤のラショウモンカズラ。

それにしても、他のシソ科の花のネーミングに比べると、ラショウモンカズラは特別に変わった名前です。

以前から僕は「鬼女の腕」のようには見えないなぁと思っていたのですが、ふと枯れかけている花を見て「なるほど」と思ったのです。

武将に切られた鬼は何かに寄りかかり、腕をダラリと下げながら命尽きたのかな。

そんな風に見えたのは、あくまでも個人的な感想ではあります。

小さな花、大きな花、怖い色、優しい色

上高地などにも群生地がある、ラショウモンカズラ
上高地などにも群生地がある、ラショウモンカズラです。

21世紀の今、ラショウモンカズラの花のイメージは「小さくて可愛い花」ではないでしょうか。

もっと大きな花、もっと怖そうなイメージの色の花があり、ラショウモンカズラには、鬼のようなインパクトを感じられないからです。

出会う花の種類はどんどん増えて、植物に求められる役割も多様になっていく中、信州の山間部で咲く花に対する見方もまた、変わってきています。

今現在の季節や時間がとても大切な瞬間に思えてくるのだから、花というのは不思議ですよね。

羅生門から遠く離れて、平和で澄んだ空気の中、ラショウモンカズラは(レモンの香りを放ちながら)初夏の風に揺れています。

植物名ラショウモンカズラ
漢字名羅生門葛
別名
学名Meehania urticifolia
英名なし
科名・属名シソ科ラショウモンカズラ属
原産地日本、朝鮮半島、中国
花期5~6月
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