今回は、道路脇で見かける植物について。
夏の終わり(晩夏から初秋)の信州を自転車(ロードバイク)で巡るとよく見かける植物を紹介したいと思います。
信州サイクリングで見かける、夏から秋にかけての植物
道路脇という環境は、人為的な影響が大きい(植栽や草刈りなど)ので、つまりは園芸種や外来種も多かったりします。
信州サイクリングでは、それらも含めていろんな植生を体験できます。
背が高く、目立つ花
オミナエシ
植栽も多くて、オミナエシは目立ちます。
秋の七草の一つですが、実際には夏から咲いていて、秋にかけて長期間楽しめますね。
横から見た姿が特徴的ですが、近づいて上から見るとまた違った印象を持つ花です。
ススキ
ススキも、秋の七草の一つですが、夏から存在感がありますね。
日本の草原の代名詞。
日当たりの良い環境を好む植物なので、樹木が茂ってくると育たなくなるし、都市部の河川敷などは外来種のセイタカアワダチソウに取って代わられたりしています。
日本の風景も変わっていきますが、信州の山間部ではまだまだススキは健在です。
イタドリ
イタドリも勢力が強くて、道路脇の定番です。
白馬などではオオイタドリというイタドリの大型も見かけます。
自転車を降りて観察する花
ツユクサ
自転車を降りて、オミナエシやススキを観察していると、足元にも花が咲いています。
ツユクサは繁殖力が強くて、どこでも見られるような花ですが、よくよく観察すると、その色と造形は独特で見ごたえがあります。
午後には花を閉じるのもツユクサの面白いところ。
ツリフネソウ
山地の湿り気のあるところでよく見かけるのがツリフネソウ。
同じ仲間のキツリフネ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)の方が早い時期から見られます。
キツリフネ
キツリフネもツリフネソウも、どちらも「距」と呼ばれる、花の後ろの突き出た部分が特徴的で、写真に収めたくなります。
ツリフネソウの距はクルリと巻きますが、キツリフネは巻きません。
カワラナデシコ
カワラナデシコも、山中の道路脇でちょくちょく見かけます。
じっくり眺めたくなる造形ですね。
畑の植物
ソバ
信州らしい穀物・野菜の畑はたくさんありますが、この時期の信州の山間部と言えばソバ。
夏の終わりは「秋そば」の花が咲いています。
そば畑に近づくと、鶏糞のような香りがします。
ちょっと臭いですが、これがソバの花の香り。
訪花昆虫にとっては良い臭いだというのだから(たくさん虫が集まっています)、生物の関係性というのは不思議ですね。
トウモロコシ
まだトウモロコシも季節です。
広大なトウモロコシ畑は迫力があります。
茎の先についているのは雄花。
風の力を利用して、できるだけ遠くに花粉を飛ばすために上の方に雄花をつけているんですね。
イネ
トウモロコシの時期は終盤ですが、秋そばとイネは、もうすぐしたら収穫の季節です。
植生や文化的な差異も体験する信州サイクリング
信州は山が多くて、標高差によって植生が違うし、尾根を越えるとヒトの文化的な違いも出てきます。
ワレモコウ
我が家は標高1300mくらいです。
この時期だと既にセミ(エゾゼミ)の鳴き声は聞こえませんが、自転車で自宅を出発して標高800mくらいまで下ると、まだミンミンゼミが鳴いています。
水田やトウモロコシ畑が広大で、風景が開けます。
山の緑色もまだまだ濃くて、空の色や雲の形に夏の名残があります。
クリ
車で通過すると見過ごすような植物に気づいたり、徒歩やランニングとは違った植生の変化が、サイクリングでは感じられます。
特に信州の山間部では季節のコントラストが強烈です。
ヒルクライムとか、過酷な面もありますが、それがまた「下り」の気持ち良さや、途中の休憩での撮影タイムを盛り上げてくれます。
ヒヨドリバナ
ヒヨドリバナは、アサギマダラが吸蜜する花として有名ですね。
そしてもう少ししたら、信州の道路脇にはアキノキリンソウの花が咲き始めます。
アキノキリンソウ
漕ぎ出しはヒンヤリ感じる空気や(しばらくすると身体が温まります)、落ち葉の上を走る感覚。
秋ならではの植物サイクリングも、もうすぐです。
※以前に『オミナエシと秋の七草、絶滅危惧種』という記事も作っています。
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