ウコギ科の植物には、特有の味と香りがあります。
ほのかな苦味が、爽やかな香りを引き立てる、そんなウコギ科の山菜です。
この記事では、我が家周辺(信州の山間部で暮らしています)のウコギ科の山菜(植物)が自生している様子と、食べ方について簡単に紹介します。
ウコギ科の山菜はタラの芽から始まり、コシアブラやハリギリへ
ウコギ科の山菜の季節は、タラノキが芽吹いて(タラの芽)その後、コシアブラやハリギリ、と続きウドで終盤を迎えます。
タラノキ(タラの芽)
タラノキは、信州では庭で栽培している家庭も多いです。
日当たりの良い場所を好み、道路脇にもよく見られます。
ウコギ科の山菜としては早い時季に旬を迎えます。
幹にトゲがたくさんあるのが特徴で、間違えやすいウルシ(ヤマウルシ)との見分けのポイントにもなります(ウルシにはトゲがない)。
タラノキ(タラの芽)の調理法
タラの芽はアクがほとんどなく、食べやすいです。
天ぷらや和え物、煮物はもちろん、信州ではサバの水煮缶の味噌汁に入れる、という食べ方も多いです。
信州の定番・サバの水煮の缶詰
サバの水煮の缶詰は、信州では多用する家が多くて、タラの芽だけでなく、あらゆる山菜と一緒に、味噌汁に入れたり煮物にしたりします。
スーパーマーケット・ツルヤでも山積みされています。
ハリギリ
ハリギリも、タラノキと同様、道路脇にもよく見られます。
大きなトゲが特徴で、タラノキよりも大きく鋭いトゲがあります。
桶などの栓(せん)として使われたことから「栓の木(センノキ)」という別名があります。
ハリギリの調理法
また、信州ではハリギリの別名(地方名)に「アクダラ」というものもあります。
灰汁(アク)が強いタラ、という意味の名前です。
なので、タラの芽(タラノキ)よりはアク抜きを必要としますが、天ぷらや和え物、煮物などにすると、ウコギ科らしい香りと苦味が美味しいです。
コシアブラ
コシアブラは、林内に生えている事が多いです。
白っぽい樹皮が特徴で、開きかけの光沢のある若芽を採取します。
※コシアブラについては『コシアブラの木【ウコギ科の味と四季】』という記事を作っています。
コシアブラの調理法
我が家は、ウコギ科の山菜としてはコシアブラが一番好きです。
ウコギ科特有の香りが、最も強く感じられるからです。
調理方法としては、炒め物や肉巻きなどがお気に入りです。
天ぷらも美味しいのですが、不思議とコシアブラに関しては、天ぷらにすると香りが弱まってしまうような気がします。
ウド
ウドは、上記3つと違って、地面から生えた状態を採取します。
夏には1~2mくらいの草丈になりますが、冬には枯れる(ウドの大木)、多年草なんですね。
道路脇でも見つけられて、花や実の季節も目につく植物です。
新芽がどんどん出てきて、夏まで長く楽しめる山菜でもあります。
ウドの調理法
ウドは、若茎はアク抜きの必要がなく(若芽はアク抜きが必要)、食べやすいです。
天ぷら、きんぴら、和え物、煮物、炒め物まで、幅広い食べ方できます。
信州では、前述のサバ水煮缶詰を使った「うど汁」も有名ですね。
あと、ウドの味噌漬けを作って保存食にする、というのも人気です。
ウコギ科について
ウコギ科の「ウコギ」についても書いておきます。
「ウコギ」とは、植物としてはヤマウコギの事を指します。
近年話題の『鬼滅の刃』にチラっとウコギご飯が登場するのですが、そんな記事(『チュン太郎のウコギご飯(『鬼滅の刃』のおにぎり)』)を以前に作っています。
ウコギは、どちらかというと低山に多いようで、我が家周辺(信州の標高1200m)では見かけない植物です。
山菜はキノコよりは簡単だけど注意も必要
キノコに比べると比較的、危険度は少ない山菜採りですが、トリカブトなどの有毒植物もあるし、遭難事故も毎年のように起きています。
詳しい人に教えてもらったり、一つひとつ覚えながら勉強していきたいですね。
『山菜採りの教科書』を読んでいると、ワレモコウやカラマツソウなども山菜として食用にできるそうで、けっこう何でも食べられるんだな、と感心します。
そんな勉強もまた、楽しいのが山菜採りです。
ウコギ科の山菜の季節
ともあれ、ウコギ科の山菜については(ウドの新芽を除くと)、季節が限定されます。
特にコシアブラなんかは採れるのは1週間くらいなので、一瞬で過ぎていく春のひと時の楽しみ、とも言えます。
ウコギ科の味と香りを美味しくさせるのは、そんな四季の移ろいなのかも知れません。
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