先日(9月中旬)、高知の牧野植物園へ行ってきました。
こうして書きながら、ぜひまた行きたい!次は丸一日滞在したい!と思うほど、素晴らしい植物園でした。
『らんまん』効果で賑わう高知、牧野富太郎博士の足跡を辿る旅、前編!(後編はこちら)
高知県立・牧野植物園とは

「植物園を造るなら五台山がええ」
生前の牧野博士の言葉だそうです。
牧野植物園は高知市の南東部、五台山上にあり、牧野博士が亡くなった翌年、1958年に開園。
2023年現在、巨大な植物園という役割のみならず、博物館やギャラリー、植物研究の施設という機能も併せ持っています。
高知県立牧野植物園とは、植物好きにとってのディズニーランド(!?)のような、そんな場所です。
今回はそんな牧野植物園を駆け足で紹介します。
牧野植物園に到着

牧野植物園へは、高知自動車道「高知IC」から一般道で約20分。
途中、街中で牧野博士のフラッグがちょくちょく見られたり『らんまん』効果を感じられます。
駐車場

駐車場は無料で225台、広々として停めやすいです。
植物散策スタート

正門から入ると、「土佐の植物生態園」です。
チケットを買う前から植物散策ができて、しかも展示の細かさ・美しさに驚かされます。

「咲いています」や「らんまん」(で紹介されました)など、見やすくてありがたい!

植物図が展示されているのも牧野博士の植物園ならではです。
シギンカラマツ

カラマツソウは信州でもよく見かけるのですが、シギンカラマツは初めて見ました。
カラマツソウよりかなり小さいですが、雰囲気は似ていますね。
ミズタマソウ

ミズタマソウには「実っています」との表示が。
名前の由来は「果実を水滴(水玉)に見立てた」とのことで、確かに水玉のようです。
マルバチシャノキ

マルバチシャノキも、初めて見ました。
海沿いに多く見られる樹木だそうで、黄色い実が目立ちます。
(やっと)牧野植物園に入園

「土佐の植物生態園」だけで長時間過ごしてしまいそうになりますが、チケットを購入して(大人730円)、やっと入園です(笑)。

各種パンフレットなどをいただきつつ「牧野富太郎記念館・本館」を見学します。
牧野富太郎記念館・本館

牧野富太郎記念館は1999年に新築された建物で、「本館」と奥にある「展示館」に分かれています。
「本館」と「展示館」は長い回廊で結ばれていて、これらは建築家・内藤廣さんの設計なんだそう。
※先日紹介した練馬の牧野記念庭園(下記)の建物も内藤廣さん設計
この内藤廣さんの建築目当ての訪問者も多いようです。
シロバナクズ

クズ(秋の七草の一つ)はどこでも見かけますが、白花があるとは!
ちょうど花が咲いていたのでパチリ。
牧野富太郎記念館「本館」と「展示館」の間の回廊

回廊沿いの植物も面白く、なかなか前に進みません(笑)。
ヤブミョウガ

ヤブミョウガは花と実を同時に見れました。
ツユクサ科の植物で、暖地の林床に生えます。
ジョウロウホトトギス

ジョウロウホトトギスは『らんまん』のオープニングや『牧野富太郎 なぜ花は匂うか』の表紙の植物画でお馴染みの、牧野博士が横倉山で発見し、名付けた植物です。

※『牧野富太郎 なぜ花は匂うか』は下記記事で紹介しています
ツチトリモチ(模型)

1902年に牧野博士が新種として発表したツリトリモチ。
こちらは模型なのでいつでも観察できます。
ふむふむ広場

「ふむふむ広場」では、植物を触ったり匂いを嗅いだり。
オジギソウ

触れると葉を閉じるオジギソウ。
※オジギソウは下記記事でも紹介しています
牧野富太郎記念館・展示館

牧野富太郎記念館・展示館にやってきました。
東京・練馬の牧野記念庭園と同様の、牧野博士の書斎が再現されていますが(以前の記事で紹介)、

違いとしては、こちら高知には牧野博士ご本人(人形)がいること!

他、シアターやパネル展示で、牧野博士の生涯について詳しく知ることができます。
個人的には、神戸の池長孟(いけなが・はじめ)さんについての写真や新聞記事がいくつも展示されているのが嬉しかったです。

池長さんは牧野博士の莫大な借金を肩代わりした支援者の一人で、下記記事で少し紹介しています。
展示館・企画展示室・植物画ギャラリー

この日は菅原一剛さんの「MAKINO 植物の肖像」展が開催されていて、美術館やアートギャラリーのような雰囲気でした。
こうした展示も、建築が美しいから一層、活きますね。
ムジナモ

展示館の中庭では、牧野博士ゆかりの植物約250種が見られますが、ムジナモはその中でも最も有名な一つでしょう。
当時この発見は正に青天の霹靂(へきれき)の感があったものだ。
『牧野富太郎 自叙伝』「小岩村で「むじな藻」の発見」
牧野博士も自叙伝でこのように振り返っています。
所要時間について(丸一日必要!)

さて。
我々はここまで、「土佐の植物生態園」「牧野富太郎記念館(本館・展示館))を見てきましたが、朝9時の開園と同時にやってきて、時刻は12時。
既に3時間が経過しているのですが、午後に他の予定を入れてしまっていて、焦りだしました。。。
全然、時間が足りない!
季節にもよりますが、牧野植物園の所要時間は丸一日は必要ですね。
温室

そんなこんなで、急ぎ足で「見どころ」を回ります(汗)。
ココは絶対、外せないだろうということで「温室」へやってきました。

入ってすぐの「みどりの塔」(上記写真)がいきなりスゴいです。
壁面にはアコウ(クワ科の樹木)が植栽されていて、大迫力!
ヒロケレウス・ウンダツス(ドラゴンフルーツ)

こうした熱帯の植物は、スーパーに並んでいる様子しか見たことがない場合が多いので、植物園らしい楽しみですよね。
バニラ・プラニフォリア

発酵させた果実が「バニラ・ビーンズ」と呼ばれ、アイスクリームなどでお馴染みですが、元はこんな感じなんですねぇ。
サガリバナ

サガリバナは、1日だけ咲く花が有名です。

果実も展示されていました。
オオオニバス

オオオニバスは、裏側から見られるようになっていて、面白いです。
植物研究交流センター(ミュージアムショップ・レストラン)

ぐるっと回って、最後は植物研究交流センターの建物内にある、ミュージアムショップでお土産を買って帰ります。
お土産

時間があれば、レストランで食事もしたかったのですが、この日の我々は時間の都合上、お土産を買って、次の目的地・佐川町へ移動したのでした。
まとめ
本当は、今回の3倍くらいの文字量と写真で紹介したいくらいで、とにかく見どころたくさんの牧野植物園でした。
まとめると、
・博物館やギャラリー、建築見学など、いろんな楽しみができる植物園
・所要時間は丸一日くらい予定しておきたい
・近くに住んでいたら年間入園券(2930円)を買いたい
高知県立・牧野植物園
https://www.makino.or.jp/
〒781-8125 高知県高知市五台山4200-6
Tel.088-882-2601
開園時間:9時~17時
休園日:年末年始、メンテナンスの日
入園料:一般730円
次回、牧野富太郎博士の足跡を辿る高知旅・後編として、「佐川町」を紹介します。
【追記】下記記事を作成しました
ちなみに電車や飛行機だと、高知のMY遊バスを利用するのが便利なようです。
※詳しくは牧野植物園の公式サイトの「アクセス」のページにて