晩ご飯やランチに比べると、朝食というのは習慣のような要素が強く出ます。お米かパンかシリアルか、という炭水化物の選択はもちろん、卵焼きやベーコンなどと合わせるか否か、またその焼き方についてとか、付け合わせも人それぞれ、定番というのがありそうです。
僕の場合、パンにnutella(ヌテッラ)というのがここ数年の定番で、このヘーゼルナッツスプレッドについて、以前から記事にしたいと思っておりました。
このサイトでは「ヌテラ」ではなく「ヌテッラ」と呼びたいと思います。日本で販売されているnutellaには「ヌテラ」と書いてありますが、本国イタリアでの発音は「ヌテッラ」なので、ここではそのように表記したいと思います。
世界のnutella(ヌテッラ)いろいろ
日本では、大きなスーパーマーケットとか、輸入食材の店では見かけるヌテッラですが、ミニオンズ柄のものが売られていたり、子供向け? という印象もあります。そもそも知らない人も多いと思います。
海外に行くと、その人気ぶりに驚きますが、まずはいくつか紹介しようと思います。
イタリア

ヌテッラが塗られたクロワッサン。朝から甘いもので始まるイタリアの朝ごはんです。ビスケットをカフェラテに浸して、というのも定番のようです。

ヌテッラのお菓子「nutella B-ready」。他にも関連商品がいくつもあるヌテッラです。
原産国のイタリアでは、ヌテッラを塗ったパンとカプチーノ、というのが朝食の大定番で、他にも関連商品がたくさん売られています。
ちなみに、製造元のフェレロ社の製品は多彩で、日本でもよく見かける「フェレロ ロシェ」も、ヌテッラと同じ味が含まれているように感じます。
スペイン

スペインの特別パッケージのヌテッラ。いくつも種類があり、どれも芸術的です。
イタリアと同じように「ヌテッラ味」の製品やメニューがたくさんあります。上の写真は特別パッケージらしく、デザイン性の高さは大人向け(?)を証明しているかのようです。
バリ島
昨年、旅行で訪れてビックリ! ヌテッラのカフェ(専門店)がありました。

バリ島のヌテッラ・カフェ「SWEET CHOCO」。ヌテッラ好きにはたまらないお店です。

「SWEET CHOCO」のメニュー。ヌテッラ付きのメニューがずらり。
もう一つ、バリ島で印象的だったのは、宿泊していたホテルで、Myヌテッラ持参のオーストラリア人を目撃した事です。日本人の梅干しのような感覚でしょうか。
アメリカ

ニューヨークのホテルのモーニングで出てきたヌテッラ。ジャムやバターと同じように、ヌテッラの使いきりサイズもあります。
妻がニューヨークで受けたビジネスセミナーでは、滞在中のホテルの朝食で使い切りサイズのヌテッラが出てきて、お土産に持って帰ってきてくれました。
フランス
ニュースで知りましたが、大手スーパーマーケットのアンテルマルシェがヌテッラの70%オフ・セールを行ったところ、買い物客が殺到して商品の奪い合いになり、暴動のようになってしまったそうです。。。
あと、フランスの某有名シェフが来日した際、「何故、日本ではヌテッラを見かけないんだ⁉」と不満をこぼしたという話しを聞いた事があります。
nutella(ヌテッラ)の広がり
このように世界中で人気のヌテッラですが(フェレロ社のウェブサイトによると160ケ国以上で販売されているそうです)、元々イタリアで、大戦中に配給制になってココアが不足し、当時ピエモンテ州で豊富だったヘーゼルナッツが使用されたのがヌテッラの原型なのだとか。

こちらはイタリア本国のヌテッラ。日本の容器はプラスチック製ですが、イタリアはガラス製です。
ヨーロッパに古くからあるセイヨウハシバミの果実(堅果)=ヘーゼルナッツと、熱帯の植物であるカカオが組み合わさり、それがコーヒー(エスプレッソ)の国、イタリアだった事は、ヌテッラが世界に広がる好条件だったのかも知れません。これらのペアリングの良さは「ヌテッラを塗ったパンとカプチーノ(コーヒー)」の、どの要素も替えが効かない事が表していると思います。ヌテッラと米や、ヌテッラと緑茶では、どうもしっくりきません。

こちらはクリスマスバージョンの特別パッケージ。通常、日本で販売されているのはオーストラリア製ですが、こちらはイタリア製。
ヘーゼルナッツのセイヨウハシバミはカバノキ科です。信州のカバノキ科と言えば、シラカバが有名ですが、葉の雰囲気(縁の重鋸歯とか)、下垂する尾状花序など、セイヨウハシバミとシラカバはよく似ています。シラカバの他にも、日本にも自生するハシバミがあって、セイヨウハシバミのような堅果を付けますが、食用にされた例はわずかしかないようで、カカオ豆やコーヒー豆との出会いは、地理的にも習慣的にも、日本ではあり得なかったのでしょうね。

朝ごはんにヌテッラのような甘いもの、というのは日本では抵抗がある人も多いようです。
いずれにしても、朝食を楽しめるというは、なんて贅沢なんだろうと思います。我が家では冬の寒い日、外はマイナス15℃にもなって、ヌテッラをしっかり伸ばすには少し温めないといけないのですが、パンと一緒に口に含むと、ほんわかと気持ちを暖めてくれます。カフェオレの苦さがヌテッラの甘さを引き立ててくれて、至福の時間です。
じっくり味わっていると、妻が「子供の食べ物!」と。そんな時も僕はニンマリ(気にしない)。今この瞬間も、世界のあちこちで同じようなニンマリがあると思うと、平和な朝は良いものだとしみじみです。
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